NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

天然白身魚が世界で品薄、ヴィンホアンが日本にも販路を広げる

天然の白身魚が世界的に品薄となり価格が上がるなか、ベトナムのパンガシウス最大手ヴィンホアン(Vinh Hoan)が欧州を軸に販路を広げている。2026年9月8日、水産物輸出加工協会(VASEP)が同社の動きを伝えた。同社のグエン・ゴー・ヴィ・タムCEOは、米国以外で需要が活発な市場としてブラジルと日本を挙げ、輸出先の多様化を進める姿勢を示した。白身魚の代替原料を探す日本の外食・惣菜・加工の調達担当にとって、供給地図が動く節目になる。

目次

タラの品薄がパンガシウスに回す追い風

記事の起点は、天然白身魚の供給逼迫だ。スケトウダラをはじめとする天然魚は漁獲枠や資源状況の制約で供給が細り、価格が上がっている。養殖のパンガシウスは、身が白くフライやフィレなど幅広い用途に使えるため、価格が上がった天然白身魚の受け皿として相対的な競争力を高めている。世界で白身魚が足りない状況は、越産パンガシウスに日本の外食調達で隙間を開いている

ヴィンホアンはこの局面を欧州で取りに行く。CEOはスペインとイギリスで売上が伸び、ドイツも今年後半にまとまった余地があると語った。欧州はもともとパンガシウスの主要市場で、天然魚が高くなるほど、安定供給できる養殖白身魚の相対価値が上がる。

CEOがブラジルと並べて日本を挙げた意味

ここで押さえたいのは、CEOが米国外で需要が活発な市場としてブラジルと日本を並べて挙げた点だ。これは日本を単独の戦略市場と宣言したわけではないが、米国依存を薄めたい同社の視界に日本が入っていることを示す。米国向けには関税や貿易摩擦の不確実性がつきまとうため、供給側は米国以外の販路を厚くする動機を持つ。

供給側が販路を分散させたい局面は、買い手にとって交渉の余地が広がる局面でもある。日本の調達担当が今、条件を詰めれば、数量や規格で有利な話をまとめやすい。

市場 ヴィンホアンの動き 日本の調達への含意
米国 関税・摩擦の不確実性 供給側が依存を薄める動機になる
欧州(スペイン・英) 売上が伸長、独は後半に余地 白身魚代替の主戦場を先行確認できる
ブラジル 需要が活発 新興需要地としてCEOが名指し
日本 需要が活発 条件交渉の窓が開きやすい

パンガシウスの代替適性を分ける、用途・供給・認証の三点

日本の食品調達でパンガシウスを検討するとき、論点は価格だけではない。第一に用途適性だ。淡白で身がしっかりしているため、フライ、煮付け、すり身の増量、惣菜のフィレなど、白身魚が担ってきた役割の多くを置き換えられる。第二に供給の安定性で、養殖ゆえに天然魚のような漁獲変動を受けにくい。第三に認証や履歴で、対日・対EUではASCなどの認証が取引条件になる場面が増えている。対日輸出は量から質へと移り、加工品の比率が供給余地を示している

価格が上がった天然白身魚をそのまま追いかけるのか、用途を絞ってパンガシウスに置き換えるのか。メニューや商品ごとに切り分けて考えると、原価の振れを抑えやすい。

供給側の販路分散が、日本の交渉にどう効くか

ヴィンホアンのように大手が欧州とブラジルへ販路を広げる動きは、日本にとって二つの意味を持つ。一つは、白身魚の代替原料の主戦場が欧州にあること。欧州での引き合いを見れば、価格と数量の相場観をつかめる。もう一つは、米国依存を薄めたい供給側が、日本の安定発注を歓迎しやすいことだ。越水産はカニや貝類の伸びでエビ頼みを崩しつつあり、輸出先の分散は業界全体の流れになっている。

弊社Agritureでも食品の受託開発を手がける中で、白身魚系の原料は価格と供給の両にらみで調達先を分ける動きが強まっていると感じている。単一の魚種・単一の産地に寄せず、養殖白身魚を選択肢に加えておくことが、原価の安定につながる。

供給構造から考えられる受け止め

米国向けは関税と貿易摩擦の不確実性がつきまとうため、越の水産業界が欧州や新興市場で数量を埋める戦略へ傾くのは自然な流れだ。米国一本足では価格も数量も読めない以上、販路分散は業界全体の防衛策として広がる。

欧州側では、天然白身魚が高止まりする局面ほど、安定供給できる養殖白身魚へ比率を移す判断が働く。価格差が開くほど代替は進みやすい。

日本の調達では、安さだけで飛びつくより、用途とASC認証、加工度で線を引くのが現実的だ。天然白身魚をそのまま追う商品と、養殖白身魚へ置き換える商品を仕分ければ、原価の振れを抑えられる。

次の一手として動かせること

白身魚の価格上昇に備えるなら、次の三点から動きたい。第一に、置き換えられる商品・メニューの洗い出し。第二に、ヴィンホアンを含む主要サプライヤーへの、認証状況と加工度を含めた条件照会。第三に、欧州向けの相場を定点観測し、日本の仕入れ値の妥当性を測ることだ。

供給側が販路を広げている今は、買い手が条件を主導しやすい時期にあたる。サンプルの取り寄せと小ロットでの試作から始め、天然白身魚が高止まりする局面に備えておけば、原価の急変に振り回されずに済む。

参照元: VASEP「Vinh Hoan day manh co hoi tai chau Au khi gia ca thit trang tang」(2026年9月8日)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

目次