NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

パインの追肥を25%減らせるか、ニンビン燐酸肥料のゲアン実証

ベトナム北中部ゲアン省の圃場で、ニンビン燐酸肥料(Phan lan Ninh Binh)がクイーン種パイナップルの追肥量を減らす実証に取り組んでいる。2026年9月12日、ベトナム農業環境紙の動画記事が伝えた。焼成リン酸を使い、追肥の回数と量を抑えながら生育を保つ狙いで、初回に1ヘクタールあたり1.2トンだった施肥量を、次回以降は0.9トンへと約25%減らした。加工パインの原料コストと環境負荷を同時に気にする日本の缶詰・ドライ・ジュースの調達担当にとって、産地の作り方が変わる兆しになる。

目次

ゲアンのパイン畑で始まった減肥の実証

試験地はゲアン省ハンラム社(xã Hạnh Lâm)。2025年12月17日から、クイーン種パイナップルの圃場でニンビン燐酸肥料株式会社の焼成リン酸を使った実証が続く。焼成リン酸はゆっくり溶けて根に吸われるため、酸性土壌でも養分が流れにくいのが持ち味だ。ゲアンのような痩せた赤土の丘陵地では、肥料を一度に多く撒いても雨で流れてしまいやすく、緩効性の資材は相性がよい。アカシアの林床で痩せ地にパイナップルを育てる事例のように、条件の悪い土地を生かす工夫が各地で進んでいる。

1.2トンから0.9トンへ、25%減らせた施肥

現地の農家によると、最初の追肥では1ヘクタールあたり1.2トンを施したが、次の追肥からは0.9トンに抑えた。量にして約25%の削減だ。それでも葉は厚く丈夫に育ち、比較した圃場より葉色が濃い緑になったという。ゆっくり効くぶん、一度に多く撒く必要がなくなった格好だ。

減ったのは肥料の量だけではない。施肥にかかる人手が3〜4人分減り、施肥まわりの経費も約100万ドン(1円=約170VND、2026年9月時点で約5,900円)ほど下がったという。小さな金額に見えても、面積と回数を重ねれば効いてくる。

項目 実証前・初回 実証後・次回以降
1haあたり追肥量 1.2トン 0.9トン(約25%減)
施肥の人手 従来どおり 3〜4人分の削減
施肥まわりの経費 従来どおり 約100万ドン(約5,900円)の削減
生育 比較圃場 葉が厚く濃緑、緩効で健全

加工パインの原料として、日本が気にすべき点

ゲアン省はベトナムでも加工用パインの産地として知られ、クイーン種は小ぶりで糖度が高く、缶詰やドライ、濃縮果汁の原料に向く。日本はパイナップルを生鮮だけでなく、缶詰・カット・ドライ・ジュース原料として大量に輸入しており、産地の栽培コストと持続可能性は、加工品の価格と調達の安定へ跳ね返る。

減肥が進む産地は、二つの意味で調達側にプラスへ働く。一つは原料コストで、施肥量と人手が減れば栽培コストの上昇を抑えやすい。もう一つは環境面で、肥料の投入量を減らせる産地は、輸入側が問われる環境配慮の説明材料になる。加工パインは缶詰やドライで果肉の締まりと糖度が仕上がりを左右するため、肥料設計の安定は最終品質の均一さにも効く。

ゲアン省は北中部の内陸に位置し、丘陵地の酸性土壌が広がる。この土地条件では、水に溶けやすい肥料を多く撒くほど雨で流れ、コストばかりかさむ悪循環に陥りやすい。緩効性の焼成リン酸で施肥量を抑えつつ生育を保てるなら、痩せ地を抱える他のパイン産地にも応用が利く。原料を安く安定して確保したい日本側にとって、産地の土壌に合った施肥設計が広がることは、長期の調達計画を立てやすくする。

投入を減らして品質を保つ、産地改善の流れ

投入資材を減らしながら生育や品質を保つ試みは、ベトナムの各産地で広がっている。痩せ地や急斜面で、いかに少ない投入で作物を育てるかは、産地の持続性を左右する課題だ。ラオカイでは作物の転換で急斜面の表土流出を46.7%減らしたように、投入と土壌の設計が産地の寿命を決める。減肥や省力は、単なるコスト削減ではなく、産地が長く原料を出し続けられるかどうかに直結する。

弊社Agritureでも乾燥果実の原料を扱う中で、産地の栽培管理が最終品質のばらつきを決める場面を何度も見てきた。肥料設計が安定した産地は、原料の糖度や大きさもそろいやすく、乾燥や加工の歩留まりが読みやすい。

産地構造から読み取れる論点

追肥を1.2トンから0.9トンへ抑えても葉の張りが落ちず、撒く回数も減る。この結果は、緩効性の焼成リン酸が酸性土壌でも養分を保つという資材特性から素直に説明がつく。

肥料メーカーにとって、酸性土壌のパイン栽培に合う資材は、痩せ地を抱える他産地へ横展開する足がかりになる。ゲアンの丘陵地で成り立つ施肥設計なら、同じ土壌条件の産地にも応用が利く。

加工原料を輸入する立場では、単年の実証だけで判断せず、収量と果実品質のデータがそろうのを一シーズン待ってから量を託すのが堅い。減肥が最終品質を揺らさないと確かめてから、調達計画に組み込む順番になる。

次に確かめたいデータ

この産地動向を追うなら、次の点を確認したい。第一に、減肥後の収量と果実の糖度・サイズが前年並みを保てるか。第二に、実証が単一圃場から産地全体へ広がるか。第三に、栽培コストの削減が最終的な原料価格にどこまで反映されるかだ。

加工パインの調達では、まず産地の栽培管理の記録を取引先に開示してもらい、減肥や省力の取り組みを一シーズン分の数字で確かめるのが現実的だ。投入を抑えても品質が揺れない産地は、原料の安定調達先として早めに関係を作っておく価値がある。

参照元: Nong nghiep va Moi truong「Phan lan Ninh Binh ben duyen cay dua xu Nghe」(2026年9月12日)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

目次