NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

越エビ上半期23億ドルと対米関税12.5%が日本の調達に開く隙間

ベトナム政府は2026年の輸出目標を5,460〜5,510億ドル(約80兆円、1USD≒148円で概算)に置く。1〜7月で3,197億ドル(前年比21.7%増)まで積み上げたが、残り5カ月で2,270〜2,310億ドルを追加で稼がねばならない計算で、対外貿易局のNguyen Anh Son局長は残る数カ月の重圧を「極めて高い」と表現した。水産の7月の伸びは5%未満に鈍り、ここに米国のセクション301関税が重なる。ベトナム産エビは12.5%を課され、エクアドル・インド・インドネシアの10%より2.5ポイント不利になった。

この2.5ポイントが、対米依存を下げて日本やCPTPP圏へ供給を振り向ける動きを後押しする。日本のエビ・水産バイヤーにとっては、ベトナム側に「米国以外の買い手」を求める事情が生まれた局面だ。本稿は、その調達余地がどこにあるかを数字で確かめる。

目次

対米12.5%と10%の差が、薄いエビの利幅を削る

関税差の意味は、エビ輸出の利幅の薄さを踏まえると具体的になる。冷凍エビの加工輸出は歩留まりと運賃、飼料相場に左右され、数ポイントの上乗せが最終利益を反転させる。米国向けでベトナムだけが12.5%、競合国が10%という構図は、同じ棚で価格を並べたときにベトナム品を後列へ押し下げる。

もっとも競合各国も無傷ではない。インドは相殺関税・反ダンピング・セーフガードの合算で58.26%という重い負担を抱え、インドネシアは技術的な問題でコンテナの積み戻しが相次いだ。エクアドルは相殺関税が低い一方、殻付き丸ごとの出荷が中心で、加工度の高い商品でシェアを伸ばしにくい。ベトナムの加工エビは、この隙間で相対的な強みを持つ。

ここで見落とせないのは、12.5%が課されるのは米国向けだけという点だ。日本やCPTPP圏、EUへの出荷にこの関税はかからない。米国という単一市場での2.5ポイントの不利が、米国以外の市場での価格競争力をそのまま損なうわけではない。むしろ米国で稼ぎにくくなった分の数量が、関税のかからない販路に流れ込む。日本のバイヤーが見るべきは「関税で弱ったベトナム」ではなく「米国から押し出された加工エビがどこへ向かうか」という供給の移動である。

上半期エビ23億ドルでも、7月に減速のサインが出た

数字の裏付けを整理する。2026年上半期のベトナムのエビ輸出は23億ドル(約3,400億円)で前年比13.6%増、水産全体58億ドルの40.5%を占めた。6月単月は4.5億ドル(約660億円)で20.7%増と勢いがあった。ところが7月に入ると水産輸出全体の伸びが5%未満へ落ち、VASEP(ベトナム水産物輸出加工協会)が掲げる通年125億ドルの楽観シナリオに黄信号が灯った。

項目 数値(概算円) 前年比
上半期エビ輸出 23億ドル(約3,400億円) +13.6%
6月単月エビ輸出 4.5億ドル(約660億円) +20.7%
上半期・水産全体 58億ドル(約8,600億円)
7月・水産輸出の伸び 5%未満
通年目標(VASEP楽観値) 125億ドル(約1.85兆円)

為替は1USD≒148円で概算。エビ・水産の金額はVASEP発表を各誌が報じた値。

伸び率は高いのに現場が身構えるのは、上半期の数字が米国向けの駆け込みを含む可能性があるためだ。8月以降に12.5%が効き始めれば、対米の伸びは息切れしやすい。輸出目標の帳尻を合わせるうえで、水産各社は米国の代わりに数量を吸収してくれる市場を探す。

米国依存を下げた先は、中国・日本・CPTPP圏に伸びる

振り向け先の筆頭は中国だ。すでに中国が米国を抜いてベトナム水産の最大市場になり、日本が3位で動く構図ができている。中国は活・冷凍の大量ロットを吸うが、価格主導で利幅は薄い。ここで日本向けの位置づけが変わる。日本は殻むき・串打ち・下味など加工度の高いエビを定価に近い水準で買うため、加工で稼ぐベトナム側の狙いと噛み合う。

供給側の体力も整いつつある。エビ最大手ミンフーはカマウ省の新工場で加工能力を積み増している。丸ごと出荷が中心のエクアドルと違い、ベトナムは工場内で一次加工まで仕上げられる。対米関税で余った加工エビの受け皿として、日本の量販・外食・OEMの引き合いが噛み合う条件がそろう。

日本のエビバイヤーが今、交渉で取りにいける余地

日本市場との接点はここにある。ベトナム側が米国の12.5%を避けて数量を移す局面では、買い手の交渉力が一時的に上がる。年間契約の単価、最低ロット、加工仕様の詰め方で、通常より踏み込んだ条件を引き出せる可能性がある。ただし関税は政策次第で振れるため、単価だけで飛びつくのは危うい。日本の商流が本当に効くのは、価格ではなく仕様と証明の設計だ。すでに日越の水産が原料を相互に回し合う段階に入っており、片務的な買い付けから共同の加工設計へと関係が動いている。

交渉で確かめる軸は三つに絞れる。第一に加工度で、殻むきや味付けまで工場内で仕上がるかを工程で確認する。第二に認証とトレーサビリティで、ASCやBAPの有無、養殖池までさかのぼれる記録を書面で押さえる。第三に安定供給で、米国向けの余剰を一時的に回すだけの相手か、日本を定常の販路に据える相手かを見極める。

この見極めが効くのは、供給の振り向けが一過性で終わりやすいからだ。米国の関税は今後の交渉や政権判断で下がることもあり得る。そのとき、日本を「米国が閉じている間の避難先」としか見ていなかった相手は、単価の良い米国へ数量を戻す。逆に、日本向けの規格に合わせて生産計画を組み替えた相手は残る。だからこそ初回の商談で、日本市場をどの位置に据えているかを工程と投資の実態から読むほうが、目先の単価より長く効く。冷凍・チルドの温度帯、包装形態、納期の刻み方まで日本の要件に寄せてくる工場かどうかが、その試金石になる。

調達実務で押さえる確認点

  • 関税差は政策で変動する前提に立ち、単価は複数年ではなく短期の見直し条項付きで結ぶ
  • 加工度の高い品目(殻むき・串・下味)に絞れば、丸ごと出荷のエクアドル勢と直接競合しない領域を確保できる
  • ASC・BAP認証と池単位の記録を契約前に取り寄せ、日本の量販・外食の要件に通るか事前照合する
  • ミンフーなど加工能力を持つ大手と、カマウ・カントーの中堅を分けて引き合いを出し、供給の二本立てを作る
  • 対米の駆け込みが一巡する秋以降に価格が緩む可能性を織り込み、四半期ごとに数量を刻んで発注する

対米関税で開いた越エビ調達の隙間を突く

ベトナムのエビは上半期23億ドルまで伸びたが、8月に効き始める対米12.5%が対米の勢いを削り、供給の一部が中国・日本・CPTPP圏へ向かう。日本のバイヤーにとっての要点は、値下がりを待つことではなく、加工度と認証を条件に据えて仕様で優位を取ることだ。まずはミンフー級の大手と中堅工場それぞれに、殻むき・味付けエビの仕様書とASC/BAPの提示を求める照会を出し、秋の価格局面までに二社購買の骨格を作っておきたい。

参照元

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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