NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

越コーヒーに日本2社が関心、東京の商談で問われた豆の履歴

東京で開かれた外食・カフェ向け展示会「CAFERES JAPAN 2026」で、ホーチミン市のグリーン経済協同組合とTotal Feeling Specialty Coffeeの共同ブースに、日本の焙煎企業2社が足を止めた。スペシャルティコーヒーの焙煎業者Tokyo Coffeeと、UCCグループのUCC Coffee Professionalである。契約こそ結ばれなかったが、両社が同じブースに関心を寄せた事実は、ベトナム産コーヒーを対日調達で扱う実務者にとって、値付けの基準が動き始めた合図になる。

この記事は、ベトナム産コーヒーの仕入れ・輸出に関わるバイヤーと産地担当者に向けて書いている。話の核心は「品質のよさ」そのものではなく、その品質を第三者に示せるかどうかへ移っている。

目次

東京の商談で日本2社が問うたのは「豆の履歴」だった

越メディアnongnghiepmoitruong.vnによると、Tokyo CoffeeとUCC Coffee Professionalは事業モデルが異なる。前者はオーガニック豆と焙煎したての鮮度、生産者と産地の物語でブランドを組み立てる小規模なスペシャルティ焙煎業者だ。後者は約100年の歴史を持つUCCグループの一員で、日本全国のホテル・レストラン・カフェにコーヒーソリューションを供給する大手である。

規模も客層も違う2社が、商談で同じ問いを投げた。香りや精製方法、カッピングスコアといった従来の評価軸は依然として重い。ただ、それだけで価値が決まる時代は終わりつつある——という認識だ。産地・栽培工程・作り手までを遡って確認できるか。日本側はそこを見ていた。

「原産地証明」で価値を積む、グリーン経済協同組合の設計

この要求に対し、協同組合は「Truong Son Coffee Culture Landscape(チュオンソン・コーヒー文化景観)」というモデルを示した。一粒の豆を、自然条件・地域の歴史・在来の知恵・栽培法・精製工程という生態系全体の産物として捉える考え方だ。その土台の上に「Certificate of Origin & Authenticity(原産地・真正性証明)」の仕組みを整え、ロットごとに具体的なデータで来歴をたどれるようにした。

協同組合側の説明では、狙いは生産量の多さで勝負することではなく、透明性で豆そのものの価値を引き上げることにある。長期のパートナーを選ぶ日本の輸入業者が重んじるのも、この一貫した来歴の開示だ。

スペシャルティと大手が同時に反応した意味

ベトナムは世界最大のロブスタ生産国で、コーヒー輸出はブラジルに次ぐ2位に立つ。生産の大半をロブスタが占め、インスタントやブレンド向けの大量供給国として知られてきた。その国が、データと産地追跡を土台にしたスペシャルティ産地を形づくり始めている——展示会で日本側が驚いたのはこの点だった。

小規模焙煎のTokyo Coffeeは、産地の物語を売る商売だから、履歴の裏付けが商品そのものになる。一方、業務用大手のUCC Coffee Professionalにとって、透明性は無数の取引先に対する品質保証とリスク管理の言語だ。訴求の動機は正反対でも、求める書類は重なる。ベトナム産地が用意すべき証明は、小口と大口のどちらにも効く形へ収斂しつつある。

日本のコーヒー市場では、この十数年で産地や農園を前面に出すシングルオリジンの棚が広がってきた。焙煎業者が豆の背景を語り、消費者がその物語に対価を払う。裏づける情報が欠ければ棚は成り立たない。業務用の側でも、外食チェーンやホテルが調達方針に持続可能性と履歴開示を組み込み、供給元へ証明の提出を求める流れが強まっている。展示会での2社の反応は、この別々に育ってきた二つの潮流が、同じ産地の前で交わった場面だった。

2社が示した調達視点の違い

項目 Tokyo Coffee UCC Coffee Professional
事業モデル 小規模スペシャルティ焙煎 業務用の大手ソリューション供給
ブランドの軸 オーガニック豆・焙煎鮮度・生産者の物語 ホテル・外食・カフェへの安定供給
証明に求めるもの 物語を裏づける産地・生産者情報 監査に耐える一貫データとリスク管理
ベトナム産地への含意 履歴そのものが商品価値になる 取引先全体への品質保証の言語になる

対日輸出の高付加価値化に、この事例が示すもの

日本の食品調達では、越産の存在感が上がる一方で、次に問われるのが環境配慮とトレーサビリティへ移っている。日本の食品調達で越産が4位、次に問われるのは環境とトレーサビリティで整理したとおり、価格と量だけの競争は頭打ちに近い。コーヒーでも同じ構図が動いている。

付加価値化の道は二つある。一つは産地と履歴を証明して単価を積む方向。もう一つは、豆のまま出さず加工まで自国で担う方向だ。後者はブオンマトートの豆が「粉」で出る日で見た動きに重なる。今回の協同組合が選んだのは前者——証明で値を取る戦略で、ソンラなどで進むアラビカ産地づくりとも方向が一致する。証明が整えば、ロブスタ主体という前提そのものを、スペシャルティ市場への入り口に変えられる。

証明で値を取る戦略は、書類を一度そろえれば終わりではない。収穫のたびにロットのデータを更新し、農園から輸出までの各段階で情報が切れないよう運用し続ける負荷が伴う。この継続コストを誰が負担し、上乗せ分をどう価格へ反映するか。そこを設計できた産地だけが、透明性を実際の利幅へ変えられる。日本のバイヤーが長期契約の相手を選ぶとき見ているのは、単発の証明書ではなく、この運用が回り続ける保証だ。

ベトナム産コーヒーを対日で扱う際の実務ポイント

  • 証明書の中身を確認する。原産地名だけでなく、栽培工程・精製方法・生産者情報がロット単位で紐づいているか。
  • スペシャルティ焙煎向けと業務用大手向けで、求められる書類の粒度が違う。前者は物語性、後者は監査に耐える一貫データを見る。
  • 契約前の「継続的な情報交換」を軽く見ない。今回の2社も、いきなり契約ではなく深い対話を経て合意形成へ進む段取りを取った。
  • ロブスタ大量供給の実績を土台に据える。そこへ産地証明を足すことで、高単価帯への交渉材料が増える。

次に動くべきこと

東京の商談で契約書は交わされていない。それでも、スペシャルティの焙煎業者と業界大手が同じ産地に同時に関心を示した事実が、透明性という武器の有効性を裏づけている。ベトナム側の宿題ははっきりしている。証明の仕組みを一過性の展示会用に終わらせず、ロット単位で継続運用できる体制へ落とし込むことだ。仕入れる日本側も、価格表の前に来歴データを求める発注へ切り替える。その一歩が、次の商談を契約へ変える。

参照元

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

目次