NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

ニンビン省OCOP60ブース、日本の産地選定に効く「星の数」

ベトナム北部のニンビン省が6月26日から30日まで、地域特産品認証「OCOP」の商品と安全農産物を集めた展示週間をフーリー地区で開いた(2026年6月28日報道)。約1,000平方メートルに60のブースが並び、約70品目の認証品が集まる規模だ。国内需要の掘り起こしと農村所得の向上を狙う省内イベントだが、日本の食品バイヤーや輸入業者にとっては別の意味がある。ベトナム各省が付与するこの認証を読めれば、無数にある産地のどこから当たるべきかを絞り込む手がかりになるからだ。

目次

60ブースに集まった約70品目、何を並べた週間か

主催はニンビン省の「ベトナム製品優先使用」運動推進委員会と祖国戦線委員会。6月28日の家族の日に合わせ、地元の伝統工芸品や特産の加工品を一堂に集めた。VietnamPlusの報道によれば、狙いは製品品質への認知を高め、国産品の優先購入を促しつつ、生産者と市場をつなぐことにある。省内向けの販促イベントであって、輸出商談会ではない。

それでも規模の数字は産地の厚みを映す。ニンビン省には3つ星以上の認証を取得したOCOP品が1,000品目を超える。内訳は5つ星が7品目、4つ星が155品目、3つ星が839品目(danviet.vn)。1つの省だけでこの数が並ぶという事実が、この制度の裾野の広さを物語る。

OCOPとは何か──「一村一品」を国が制度化した仕組み

OCOP(One Commune One Product)は、コミューン単位の特産品を国の基準で評価し、3つ星から5つ星までの等級を付ける認証制度だ。日本の「一村一品運動」やタイのOTOPに着想を得ており、ベトナムでは各省が審査主体となって等級を付与する。3つ星・4つ星は省レベル、最上位の5つ星は中央(農業農村開発省)が認定する。

評価対象は農産物そのものだけでなく、加工品・伝統工芸・観光サービスまで含む。つまりOCOPの星は「その産地が原料を出すだけでなく、加工して商品化する段階まで到達しているか」を外から測る目盛りになる。原料供給から加工・ブランド化へ産地が重心を移す動きは、ダクラク省の果物加工クラスターのように各地で進んでおり、OCOPの等級はその到達度を横並びで見る物差しになる。

数字で見る認証の裾野と、等級ごとの意味

OCOPは一省の現象ではない。農業農村開発省によれば、2025年末時点で全国の3つ星以上の認証品は約17,400品目に達し、2030年までに2万品目を目標に掲げている。年間で数千品目単位で増える制度であり、産地の裾野は毎年広がっている。

指標数値出典
ニンビン省の3つ星以上OCOP品1,000品目超(5つ星7・4つ星155・3つ星839)danviet.vn
今回の展示週間60ブース・約70品目・約1,000平方メートルdanviet.vn
全国の3つ星以上OCOP品(2025年末)約17,400品目農業農村開発省
2030年の全国目標2万品目(うち5つ星150品目)農業農村開発省
認証後の商品価値の変化10〜30%上昇・年間売上5〜20%増(各生産者の申告)VietnamPlus

等級の読み方が実務では効く。3つ星は「基準を満たした地場品」で数が最も多く、価格競争力を探る層。4つ星は品質と包装・トレーサビリティの水準が一段上がり、省を越えた流通に耐える層。5つ星は全国で百数十品目に絞られる希少枠で、輸出を視野に入れた最上位だ。品目名だけで産地を探すより、この等級で足切りを設けるほうが調達の当たりは早くなる。

認証を取ると何が変わるか──生産者側のインセンティブ

今回の週間で生産者側が語った実感は具体的だ。認証取得後に商品価値が10〜30%上がり、年間売上が5〜20%伸びたという申告が紹介されている(VietnamPlus)。これは各生産者の自己申告であって全国平均ではないが、認証を取る動機が明確に存在することは示している。星を取れば省や国の販促イベントに出られ、卸や小売とつながる機会が増える。

買い手にとって重要なのは、この動機構造そのものだ。認証を取った生産者は、包装・表示・トレーサビリティといった「取引に必要な体裁」を審査の過程で整えている。品質のばらつきや書類の不備で商談が止まりがちなベトナム産地との取引で、OCOP等級は最初のスクリーニングの手間を肩代わりしてくれる。

日本のバイヤーはOCOPをどう使えるか

OCOPはあくまでベトナム国内向けの認証で、日本の輸入基準や残留農薬・衛生規格を保証するものではない。星の数がそのまま対日輸出の適格性を意味しない点は押さえておきたい。それでも、産地選定の一次フィルターとしての価値は大きい。

実務での使い方は三段構えが現実的だ。まず品目と省を決め、その省のOCOP認証リストで4つ星以上に絞る。次に、加工・包装まで到達している事業者を優先し、サンプルと書類を取り寄せる。最後に、対日輸出に必要な検疫・衛生要件を個別に確認する。OCOPは1段目のふるいであって、日本側の基準確認を省くものではない。この順序を守れば、無数の生産者リストから当たるべき数社まで一気に絞れる。

加えて、OCOPは「物語」を持った産地を見つける手がかりでもある。等級審査では原料の由来や製法、地域文化との結びつきが評価される。素材を物語で売る動きは、ダナンの作り手が素材を物語で売る事例のように広がっており、ギフトや高付加価値の棚を狙う日本のバイヤーにとって、OCOP品はストーリー付きの産地候補が並ぶカタログとして読める。

展示週間の増加が示す、産地側の輸出前夜

ニンビン省のこの週間は単発ではない。各省がOCOP品を集めた展示・販促イベントを相次いで開いており、産地が「作って終わり」から「見せて売る」段階へ動いていることの表れだ。省レベルの販促で商品化とブランド化を鍛えた産地は、次に省外流通、そして輸出へと段階を上げていく。日本の調達側から見れば、こうした国内イベントの活況は、数年先に対日輸出の候補となる産地が今まさに育っている前触れと読める。

国内需要の掘り起こしを狙う省内イベントを、輸出前の産地育成の観測点として使う。ニンビン省の60ブースは、その意味で日本のバイヤーが定点観測しておく価値のある小さな窓だ。

参照元

Dan Viet: ニンビン省に1,000品目超のOCOP、各地の特産が集結

VietnamPlus: ニンビン省、OCOP・安全農産物展示週間を開幕

農業農村開発省: ベトナム、今年OCOP品を3,200品目追加

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

目次