NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

越とシンガポールが分ける役割、ハラル7兆ドルに日本はどう乗るか

ベトナムとシンガポールが、ハラル食品の「地域バリューチェーン」を一緒に組み立てようとしている。7月8日付のAsian Agribizが報じた両国の連携は、単なる二国間の商談ではない。原料の産地であるベトナムと、金融・物流・国際認証のハブであるシンガポールが役割を分担し、東南アジア全体を一つの供給網として世界のハラル市場につなぐ構想だ。日本の食品バイヤーや調達担当にとっても、東南アジアからの仕入れをどの国・どの機能で組むかを考え直す材料になる。

目次

シンガポールで交わされた「役割分担」の合意

きっかけは、6月27日にシンガポールで開かれた「Halal Business Seminar 2026」だ。テーマは「Singapore – Vietnam and Beyond: Building the Regional Halal Value Chain(シンガポール・ベトナム、その先へ――地域ハラルバリューチェーンの構築)」。在シンガポール・ベトナム通商事務所とMaybank、Dawn Horizonが共催した。ベトナム側はハラルを「戦略的な成長分野」と位置づけ、輸出先の多様化と供給網の強靱化を進める入り口として捉えている。

ここで示された発想が明快だ。ベトナムは農業・水産・食品加工に強みを持つ一方、ハラル認証の国際的な信頼性や金融・物流の設計ではシンガポールに一日の長がある。そこで「原料はベトナムで調達し、シンガポールで加工・認証を通し、世界の消費市場へ送り出す」という補完型のモデルを描く。互いの弱点を相手の強みで埋める、地域分業の設計図である。

数字で見るハラル市場とベトナムの現在地

この連携の背景には、市場そのものの大きさがある。ハラル経済は世界で約20億人のムスリム消費者を対象とし、食品・飲料から医薬品、化粧品、観光、物流までを含めると年間7兆ドルを超える規模とされる。中東は食料需要の85〜90%を輸入に頼っており、コメ・コーヒー・カシューナッツ・胡椒・水産物・加工青果といったベトナムの主力輸出品と需要がかみ合う。

指標 数値
世界のムスリム消費者 約20億人
ハラル経済の規模(食品・医薬・化粧品・観光等を含む) 年間7兆ドル超
中東の食料の輸入依存度 85〜90%
ベトナムのハラル認証取得企業 約1,300社
ハラル認証製品を持つベトナム企業の割合 約0.2%

注目すべきは、ベトナムのハラル認証取得企業が約1,300社にとどまり、全企業に占める割合は約0.2%にすぎない点だ。原料の供給力は十分にありながら、認証という「出口の鍵」を持つ企業がまだ薄い。シンガポールの認証・金融機能と組む狙いは、この空白を短期間で埋めることにある。ベトナムがヤギ・羊のハラル対応供給網づくりを急ぐ動きはカインホア省が国内最大級のハラル畜産に挑む取り組みにも表れており、認証を軸にした産地の再編が畜産にまで広がっている。

「規格」を壁でなく商機に変える発想

ハラル認証は、輸入国ごとに基準や指定機関が異なり、参入の壁になりやすい。だが今回の連携は、その壁を地域で共同攻略しようという発想に立つ。原料国が単独で各国の認証を取りにいくのではなく、認証・金融のハブを経由することで、複数市場への出口を一度に確保する。規制対応を負担でなく差別化の武器に変える動きは、ベトナム産ソルガムがハラル対応で中東市場を狙う事例のように、原料段階から輸出設計を織り込む生産者が増えていることと重なる。認証を「取ってから売る」のではなく、「認証を前提に作る」段階へと産地が移りつつある。

日本の食品企業にとっての示唆

この構想は、日本の調達戦略にも二つの視点を投げかける。一つは、東南アジアからの仕入れを「国」ではなく「機能」で捉え直すことだ。原料はベトナム、加工・認証はシンガポール――という分業が定着すれば、日本企業も産地買い付けと認証取得を別々のパートナーに委ねる調達設計が現実的になる。ベトナムの加工能力そのものは、水産分野で日本の調達が「加工」を穴場として見直しているように、生鮮の先にある工程で存在感を増している。

もう一つは、ハラルという「新しい輸出フロンティア」を、日本企業が競合として見るか協働相手として見るかという問いだ。中東・東南アジアのムスリム市場は、日本の食品メーカーにとっても未開拓の余地が大きい。ベトナム産の原料を使い、ハラル対応の加工・認証を東南アジアのハブで済ませて第三国に売る――そうした三角貿易型の商流に、日本の技術やブランドが乗る余地はある。産地との関係を仕入れだけで終わらせず、加工・認証・販路のどこで価値を足せるかを設計する視点が問われる。

まとめ:産地の「役割」が動き出す

ベトナムとシンガポールの連携は、東南アジアの食品供給網が「安い原料の産地」から「機能で分業する地域チェーン」へと変わり始めた兆しだ。ハラルという巨大市場を軸に、認証と加工の役割が国境をまたいで再配置されていく。日本の食品企業がこの流れを他人事とせず、自社の調達網のどこにベトナムの原料力とシンガポールの認証機能を組み込めるかを早めに検討しておくことが、次の一手につながる。まずは自社の取り扱い品目のうち、ムスリム市場で需要が見込めるものを棚卸しするところから始めたい。

参照元

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

目次