NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

エクアドル産エビが池揚げ2.4ドル、越の経営者は加工と大型で戦う

ベトナム農業環境省の機関紙 Nông nghiệp và Môi trường が2026年9月24日に出した連載「エクアドル産エビの奇跡を解く」第3回は、ベトナムのエビ産業がどの区分で戦うべきかを、企業経営者の口から名指しした回だ。語り手はタンヴオン有限会社(Công ty TNHH Thần Vương)のチャン・クアン・ズイ最高経営責任者兼創業者。1kgあたり40〜60尾の中サイズのバナメイを丸のまま安く出す土俵ではエクアドルに勝てないと切り分け、深加工と大型サイズに戦線を寄せるべきだと述べた。日本の加工品バイヤーには、ベトナムの供給側が伸ばしたい区分が先に読める。

ズイ氏の話には飼料価格と飼料要求率(FCR)を使った原価の筆算が入る。以下、起点記事と同連載第2回、VASEP(ベトナム水産加工輸出協会)が9月23日に出した税関集計を突き合わせる。円換算とドン換算は原文になく、本稿で1ドル=158.85円(欧州中央銀行の参照レートから算出、9月24日)、1ドル=25,800ドン(ベトコムバンクの電信買レート、9月25日午前)を当てて計算した。後述する飼料代と池揚げ価格の比率も本稿の筆算である。tỷ は10億、triệu は100万。

目次

エクアドルの池揚げ2.4ドルに、ベトナムはなぜ正面から挑まないのか

連載第2回によると、エクアドルは白点病の打撃から立ち直る過程でアジアと逆に振った。病原体を根絶するのではなく共存する設計に切り替え、放養密度をアジアの約10分の1に落とした。種苗は白点病を生き延びた個体から選び、抗生物質は段階的に外した。

40〜60尾のバナメイを丸のまま出す区画

ズイ氏がエクアドルの強みとして挙げたのは、40〜60尾/kgの中サイズのバナメイを頭も殻も付けたまま出す区画だ。サイクルが短く密度が低く、生産単位が数百から数千ヘクタールで組まれるため、池揚げ価格が1kg2.4ドルでも採算が残る。第2回のグルポ・アルマールは1サイクル約50日で年6回転、インドやベトナムのほぼ倍の速さだ。

安さは一つの技術ではなく産業の組み立てから出ている

ズイ氏はこの価格を、養殖業者が個別に真似できる技術ではなく産業全体の構造から生まれたものだと整理した。第2回によれば、ラボバンクのゴルヤン・ニコリック氏の説明で、エクアドルは養殖したエビの約95%が出荷まで生き残る。アジアは約80%で、単位面積あたりの生産性はタイやインドネシアより低いまま、歩留まりで差がついている。

飼料メーカーBioMarのアンドレス・リバドゥジャ氏は、水中マイクでエビが食べる音を拾って満腹の時点を判定し、次サイクルの配合を調整していると説明する。給餌機は約3分おきに餌を出す。1日2回、船で撒くアジアの産地とは投入の密度が違う。

国・地域 池揚げ価格(2026年5月・第2回) 円換算
エクアドル 2.4 USD/kg 約381円/kg
インド 2.99 USD/kg 約475円/kg
中国 5.32 USD/kg 約845円/kg

ズイ氏が挙げたのは深加工と1kg25〜30尾の大型

寿司エビ、衣付き、リング、味付け蒸し

ズイ氏の挙げた最初の入り口は深加工だ。ベトナムは衣付きエビ(tôm bao bột)、シュリンプリング、寿司エビ、味付け蒸しエビで位置を作ってきた。エクアドルが加工能力の強化に動いたのはここ数年で、ベトナム側には経験と労働力、日本・韓国・EUの小売チェーンとの取引関係がある。深加工に寄せるほど原料価格の差だけでは決まらず、加工能力と品質、顧客要求への対応力が効く。

ブラックタイガー・マングローブ・稲作併用に分かれる4区分

もう一つは、エクアドルが得意としない区画に寄せる道だ。短いサイクルを多回転させる体系は40〜60尾に合っており、それより大きいサイズを狙えば、うまく回っている仕組み自体を変えることになる。一方でベトナムには25〜30尾/kgの大型バナメイ、大型ブラックタイガー、マングローブ林で育てるエビ、稲作と組み合わせたエコ養殖のエビがある。ズイ氏は規模と原価で相手が優位な製品を避け、これらを固める方向を強調した。原文は同時に、バナメイ(tôm thẻ)は今後もベトナムの主力製品で生産量の大きな部分を占め続けると書いている。中サイズから引くという話ではない。供給側の実像は、カマウ省ダムゾイの721haのASC認証養殖区と並べると取りやすい。

飼料40,000ドンとFCR1.4で、エビ1kgの飼料代は56,000ドンになる

ズイ氏は養殖業者が池の中で動かせる数字を2つ挙げた。1つ目が生存率だ。エビ用飼料は1kgあたり33,000〜40,000ドン(約203〜246円)で、生産原価の最大60%を占めうる。単価に手を出せない以上、エビ1kgに何kgの飼料を使うかが論点になる。

飼料代だけでエクアドルの池揚げ価格の約9割に届く

ズイ氏の例は、飼料40,000ドン/kg、FCR1.4で、エビ1kgの飼料代だけで約56,000ドン(約345円)。池の処理費も、途中で病気が出た場合の追加費用も入らない。エクアドルの池揚げ価格2.4ドルを1ドル25,800ドンで換算すると約61,920ドンで、56,000を61,920で割ると90.4%。ベトナムの飼料代だけで相手の池揚げ価格の約9割に届く。この割り算は原文にはなく本稿の筆算だが、ズイ氏が中サイズで正面から競らないとみる根拠はこの一行に収まる。川上側はカマウ省で稼働したCPの水産飼料工場が手がかりになる。

項目 原文表記 円換算・比率
飼料の価格帯 33,000〜40,000 VND/kg 約203〜246円/kg
FCR1.4時の飼料代 56,000 VND/エビ1kg 約345円
エクアドルの池揚げ価格 2.4 USD/kg(約61,920 VND) 約381円
飼料代 ÷ 池揚げ価格 56,000 ÷ 61,920(本稿の計算) 約90.4%

残留物が出た1ロットで、関税の優位が消えることもある

2つ目は清潔な生産記録だ。米国、EU、日本は残留物の管理を厳しくし、加工工場も買い取り前に抗生物質を検査する。ズイ氏は、市場面の優位は輸入者の要求を満たして初めて価値になり、残留物で問題が出た1ロットが関税や市場アクセスの優位を打ち消しうると述べた。

対米が11.7%減る横で、日本向けは6.1%伸びた

中国・香港が11.2億ドル、全体の34.1%

VASEPが9月23日に公表したベトナム税関の集計では、2026年1〜8月のエビ輸出は33億ドル(3.3 tỷ USD)で前年同期比12%増、8月単月は4億7,850万ドルで4.2%増。品目別ではバナメイが20億ドル超で7.6%増、ブラックタイガー(tôm sú)が約3億1,800万ドルで7.4%増、その他のエビが9億3,660万ドルで25%増と最も伸びた。市場別では中国・香港が約11.2億ドルで35.9%増、全体の34.1%を占めた。

米国との差は4,760万ドルに縮んだ

逆に米国は4億3,610万ドルで11.7%減、8月単月では12.6%減。EUは3億5,530万ドルで3.6%減、8月単月は23.5%減と落ち込みが深い。その中で日本は6.1%増の3億8,850万ドルとなり、米国との差は4,760万ドル(4億3,610万−3億8,850万、本稿の計算)に縮んだ。VASEPは記事見出しで競争の軸が効率と価値に移ったと表現した。対米が鈍ったときの振り向け先は、ゴダコがアジア市場へ動いた例に先に出ていた。

市場 2026年1〜8月 前年同期比
中国・香港 約11億2,000万ドル +35.9%
米国 4億3,610万ドル -11.7%
日本 3億8,850万ドル +6.1%
EU 3億5,530万ドル -3.6%
CPTPP全体 9億100万ドル +11%

日本の買い手は仕様書のどこを先に埋められるか

サイズと種類を決めてから工場を選ぶ

ズイ氏の整理に沿って中サイズで価格勝負をしない前提に立つなら、日本の調達側は引き合いの中身を先に絞れる。40〜60尾の丸のままの汎用品を価格だけで競わせる引き合いは噛み合いにくい。25〜30尾の大型バナメイ、大型ブラックタイガー、マングローブや稲作併用のエビ、寿司エビ・衣付き・リング・味付け蒸しの加工品は、ベトナム側が固めたい領域と重なる。

生存率と投薬記録を見積もりより先に聞く

ズイ氏の原価の組み立てを裏返すと、見積もり前に聞く質問が2つ決まる。1つは池の生存率で、飼料が原価の6割を占める構造では生存率がそのまま原料コストの振れ幅になる。もう1つは抗生物質の管理と生産記録の残し方だ。「閉じられる工程から閉じて、そのぶん主導権を取る」というズイ氏の言い方は、飼料、設備、技術と自社化を進めるベトナム企業の動きと重なる。

次の見積もり依頼に足す3行

引き合い文に入れる項目

項目 書き込む内容 根拠
サイズ 25〜30尾/kgの大型バナメイ/大型ブラックタイガー 起点記事
製品形態 寿司エビ/衣付き/リング/味付け蒸し 起点記事
池の生存率 直近3サイクルの実績値 飼料が原価の最大60%
抗生物質 買い取り前検査の結果と記録の保管形式 起点記事

価格表より先に返ってくるかを見る

日本側が次にできる一手は単純だ。商談中のベトナムの加工工場に、直近3サイクルの池の生存率と、買い取り前の抗生物質検査の記録の保管方法を、次の見積もり依頼に1行ずつ足して聞く。価格表よりこの2つが先に返る工場は、原料の出どころを自分で握っている。

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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