NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

痩せた雑木の丘をグアバ園に、ダナンの普及員が支えた年5億ドン

ベトナム中部ダナン市クエソン地区で、伐り尽くされた雑木の丘が果樹園に生まれ変わった。地元農協「HTX Nông nghiệp Rừng Bảo」を率いるチュオン・ヴァン・アリン氏は2023年、3ヘクタールの痩せたアカシア(keo)畑を掘り返し、台湾系のナシグアバ「ổi lê Đài Loan」1,200本と、レンブの高級品種「マンアンフォック(mận An Phước)」350本へ植え替えた。ダナン市普及センターが肥料と技術指導で伴走し、2025年の農園売上は約5億ドン(500 triệu VND、約290万円)、利益率はおよそ50%に達したという。果樹の仕入れ先を探すバイヤーや、条件不利地の産地化に携わる担当者にとって、この一件は読み解く価値がある。

目次

木材用アカシアの丘が3年でグアバ園に変わった

元の畑は、木材やチップ材に使うアカシア(keo)の造林地だった。ベトナムの丘陵では広く植わる樹種だが、地力の乏しい斜面では育ちが鈍く、伐採まで数年を要する。原文はこの土地を「cằn cỗi(痩せて疲れきった)」と描いている。アリン氏はここに見切りをつけ、収穫が毎年見込める果樹へ舵を切った。

選んだのは、実が大きく日持ちするナシグアバと、種がほとんどなく贈答にも向くレンブ。どちらも生食需要が厚く、収穫の立ち上がりが早い品目だ。植え替えから2年で果実が安定して採れる樹に育ち、丘は通年で稼ぐ農園へ姿を変えた。

ナシグアバ「ổi lê Đài Loan」は、果肉が白く歯ざわりの硬い大玉種で、日持ちと輸送性に優れる。レンブのマンアンフォックは、タイ由来の系統とベトナム在来種をかけ合わせた鐘形の赤い果実で、種がほとんどなく水分が多い。ともに高温多湿のベトナム中部で育てやすく、生食で値のつく品目を掛け合わせることで、単一栽培に付きまとう価格変動の谷を浅くする狙いが読み取れる。収穫期のずれる二品目を同じ園に置けば、出荷が途切れる時期を減らし、人手や運搬の稼働も平準化できる。

1日200kg・年11トン、卸値は1kg約120円

いまのグアバは最盛期で1日およそ200kg、月に1〜2トンを出荷する。2025年の年間収量は約11トンで、卸値は1kgあたり約20,000ドン(約120円)。農園全体の売上は約5億ドンに達し、その半分ほどが利益として残った。売上にはレンブの分も含まれるため、グアバ単体の数字とは分けて見る必要がある。

項目 数値
転換面積 3ヘクタール(アカシア→果樹)
植栽本数 グアバ1,200本・レンブ350本
グアバ収量 最盛期200kg/日、月1〜2トン、2025年 約11トン
グアバ卸値 約20,000ドン/kg(約120円)
農園売上(2025年) 約5億ドン=500 triệu VND(約290万円)
利益率 約50%

為替は1円≒170ドンで換算した概算。ベトナムドンは百万=triệu、十億=tỷ。500 triệu=5億ドンであり、tỷ(10億)ではない。

肥料と技術者を送り込んだ普及センターの役割

この転換を支えたのが、ダナン市普及センター(Trung tâm Khuyến nông TP Đà Nẵng)だった。原文によると、センターは肥料を補助し、あわせて職員を現地へ派遣して、剪定や施肥、節水灌漑、病害虫防除の技術を直接指導した。個人農家が独力で背負いにくい初期の栽培リスクを、公的機関が肩代わりした形になる。

ベトナムの果樹転換では、苗の選定を誤ったり、水管理でつまずいて初年度に樹を枯らす例が後を絶たない。人を張り付けて畑で教える伴走型の支援は、補助金を配るだけの施策より歩留まりが高い。技術者が畑に通う契約生産でダクラクのドリアン産地が生産を伸ばした事例とも、支援の設計思想は重なる。

公的機関が初期に肥料と人手を出す意味は、農家の資金繰りにも及ぶ。アカシアから果樹への転換では、苗代や整地、灌漑設備の投資が先に立ち、収穫で回収できるまで2〜3年の空白が生まれる。この谷を肥料補助と技術指導で浅くできれば、農家は借入を抑えたまま転換に踏み切れる。ダナンの農園で利益率50%という数字が早い段階で出た背景には、初期の失敗コストを公的支援が吸収した構図がある。逆に言えば、支援が抜けた産地では同じ品目でも歩留まりが落ちやすく、産地化のスピードに差がつく。

痩せ地を果樹に変える動きは各地で起きている

不利な土地を高付加価値の果樹へ切り替える流れは、この農園に限らない。ホーチミン近郊では、稲が実らない酸性土をVietGAP認証のグアバ園に転換した産地があり、ダクラクでは痩せた砂地のグアバで年商を積み上げる農家が加工まで手を伸ばしている。共通するのは、土地の弱点を作物選びと栽培技術で埋め、生鮮だけに頼らず売り先を組む姿勢だ。

グアバは高温多湿に強く、植えてから収穫までが短い。条件の悪い土地でも現金収入を早く生みやすく、産地化の入口に据えやすい果実だ。ベトナム国内では生食のグアバ需要が都市部を中心に伸び、ジュースやドライフルーツへの加工も広がっている。ダナンの事例は、その入口を普及機関がどう支えるかを具体的に見せている。

日本の遊休地・耕作放棄地への示唆

日本にも、収益の見込めない人工林や耕作放棄地は各地にある。杉やヒノキを抱えたまま手が回らない斜面、鳥獣害で稲作をあきらめた中山間の田畑——構造はダナンのアカシア畑と近い。木材相場に振り回されず、毎年の現金収入を生む果樹へ切り替える発想は、日本の条件不利地にも移せる。

ただし移すべきは品目ではなく仕組みだ。ダナンで効いたのは、公的機関が肥料と人を出し、農家が初期の失敗を避けられたこと。日本でも、不良田を蓮田に変えてフエの農家が稲作の数倍を稼いだ事例のように、転換の成否は品目より伴走の質で決まる。普及指導員やJAが、剪定から水管理、出荷先の確保まで畑で寄り添えるかが分かれ目になる。

バイヤーが押さえておきたい調達の実務

果樹バイヤーの視点で見ると、この種の新興産地には固有の勘所がある。

  • 供給の立ち上がり時期を確かめる。植え替えから収量が安定するまで2〜3年かかり、初期は数量が読みにくい。
  • グアバとレンブのように複数品目を持つ農園は、端境期の谷が浅く、通年で引き合いを組みやすい。
  • 普及センターが技術指導に入っている産地は、栽培記録や品質管理が整いやすく、トレーサビリティの土台がある。
  • 卸値約20,000ドン/kgは生食向けの水準。加工やギフト用途へ振ると、単価を積み増せる余地が残る。

アリン氏の農園はまだ規模こそ小さいが、痩せた丘を3年で黒字の果樹園へ変えた道筋は明快だ。土地の弱点を認め、早く稼げる果樹を選び、公的機関の技術を借りて初期を乗り切る——条件不利地を産地に育てる順番が、そのまま示されている。日本の遊休地を眺める側にとっても、まねるべきは作物名ではなく、この段取りのほうだ。

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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