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タインホアの農家が食用花『夜香花』に転換、VietGAP無農薬で12ha

タインホア省イエンビン地区コンチン一帯で、水田やサトウキビ畑が食用花「夜香花(ベトナム名 hoa thiên lý、トンキンカズラ)」の畑に置き換わっている。地元農業誌 Nong nghiep Moi truong が2026年7月28日に伝えた報道によれば、コンチン村では約30haが夜香花に転換し、うちイエンビン地区の12haがすでにVietGAP認証を取得した。2日に1度収穫でき、盛期には1回あたり100kg近く採れるという花畑は、日本の乾燥花・惣菜原料のバイヤーにとって、これまで視界に入りにくかった調達先の候補になる。

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夜香花はベトナムの家庭料理を支える食用花

夜香花はガガイモ科のつる性植物で、淡い黄緑の小花を房で咲かせる。ベトナムでは花のつぼみと若い花を「canh hoa thiên lý(夜香花のスープ)」として日常的に食べる、なじみの深い食材だ。棚(トレリス)に這わせて仕立てるため一度植えれば数年は収穫が続き、稲のように毎期植え直す必要がない。農薬を掛けにくい食用花である点が、逆に無農薬・減農薬栽培との相性を生んでいる。報道でも、飲食店・給食施設・スーパー向けにほぼ周年で需要があり、農薬散布を避ける栽培が食の安全志向に合致していると整理されている。

30haのうち12haがVietGAP、収穫は2日に1度で1kg 38,000ドン

報道の主人公は、同地区で夜香花を育てるグエン・ヴァン・ハン氏。従来の稲・サトウキビ・カボチャは豊作でも価格が崩れて採算に合わず、蔓性で多年にわたり収穫が続く夜香花に切り替えた。棚を組み土壌を整えたところ、収穫は2日おき、最盛期には1回100kg、平均でも20〜30kgが安定して採れる。出荷単価は通常38,000〜40,000VND/kg、シーズン初期には50,000VND/kgまで上がる。

項目 数値 円換算(1円≈170VND)
コンチン一帯の転換面積 約30ha
VietGAP認証面積(イエンビン) 12ha
収穫頻度 2日に1回
1回の収量(盛期/平均) 約100kg / 20〜30kg
通常単価 38,000〜40,000VND/kg 約224〜235円/kg
初期単価 50,000VND/kg 約294円/kg

いずれも Nong nghiep Moi truong の同記事に記載された数値で、円換算は目安レートによる概算。実勢や取引条件で振れる点は割り引いて読みたい。

2日おきの現金収入が稲一辺倒の村を変えた

稲作の価格暴落に疲れた農家が、収穫の刻みが細かく回転の速い夜香花に手応えを感じている。稲一辺倒だった村が2日おきの現金収入に切り替わったことで、若い世代が畑に戻る動きも出ているという。一方で報道は、2026年の長期高温による生育停滞、線虫やキノコ病による苗の枯死といったリスクも指摘する。産地の職能組合を率いるグエン・フウ・トゥイ氏は、OCOP(一村一品)認証の取得や有機栽培への移行、加工・ブランド化による付加価値づくりを次の課題に挙げる。生鮮の花で終わらせず、乾燥や加工へ広げる意向がすでに産地側にある。

乾燥・冷凍の半製品なら日本の惣菜原料に手が届く

日本のエディブルフラワー市場は長野や愛知の施設栽培が主力で、価格も供給量も限られる。夜香花はそのままでは日本になじみが薄いが、乾燥品や冷凍品にすればスープ・炒め物・惣菜の素材として展開余地がある。2日に1度という収穫の細かさは、生鮮では鮮度リスクになる半面、加工前提なら計画的にまとまった量を集めることに向く。12haがVietGAPを取得済みという事実は、残留農薬や記録管理を問う日本の受け入れ検査に対して出発点になる。

ただし生鮮花の輸入は検疫と鮮度の壁が高く、現実的な入口は現地で一次乾燥・冷凍まで済ませた半製品だ。低収益の水田を蓮と観光に変えたダナン・ダイアンの事例でも、花き系の転換は加工・体験と組み合わせて初めて採算が立っていた。相場商品からニッチ作物への切り替えは各地で進んでおり、酸性土をVietGAPグアバ園に変えたホーチミン近郊バルクの8倍で売れるハティンの在来種蜂蜜と同じ流れに夜香花も連なる。

まず確認するのは乾燥・冷凍の加工能力

接触するなら、VietGAP認証を持つイエンビン地区の職能組合を窓口に、生鮮ではなく乾燥・冷凍の半製品としての試験取引から入るのが現実的だ。無農薬に近い栽培を売りにする以上、残留農薬の検査データと栽培記録の提出可否を早い段階で確認したい。長期高温や病害による供給変動が報じられている点も踏まえ、単年ではなく複数期の供給安定性を見極めたい。産地が掲げるOCOP・有機・加工の動きに歩調を合わせて関係を作ることが、この小さな花畑を将来の調達先に育てる入口になる。

参照元

Nong nghiep Moi truong「Đổi đời từ những giàn thiên lý」(2026年7月28日)

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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