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ダクラクのサウリエン園地、観光と標準化で日本に何を売るか

ダクラク省エアニンの農業サービス協同組合Tan Lap Dong(タンラップドン)は、サウリエン(ドリアン)を「売って終わり」にしない道を探している。40戸・約50ヘクタールの輸出級ドリアン園を4つの産地コードで管理し、標準化した生産に園地観光を重ねる。産地の物語と品質管理を目で確かめたい日本の輸入者にとって、畑先まで検証できる相手の候補になる。

目次

果実を売るだけでなく、園地に客を呼ぶ

Tan Lap Dongが掲げるのは、生果の出荷に景観・生産の透明性・産地の物語・農園体験・加工品を重ねる園地観光型のモデルだ。ドリアンを収穫して卸すだけでは価格が相場に振られる。畑に人を呼び、栽培や選果の現場を見せることで、産地そのものにブランド価値を持たせようとしている。

組合は2022年から企業と連携し、安定した供給網づくりを進めてきた。現状の販売は生果が主で、加工や高付加価値品はまだ限られる。観光と加工は、その生果偏重を広げる次の一手になる。

ドリアンは強い香りと大きな果実で、産地の風景そのものが観光資源になりやすい果物だ。収穫期に畑を歩き、木から落ちる完熟果を受け取る体験は、都市の消費者にも海外のバイヤーにも記憶に残る。生果を卸すだけでは、その体験価値は取引先に渡ってしまう。畑に人を呼ぶモデルは、産地が体験の対価を自分たちで受け取る仕組みでもある。

40戸・50ヘクタールを4つの産地コードで管理する

項目 内容
所在 ダクラク省エアニン(Ea Ning)
組合員 40戸
輸出級ドリアン面積 約50ヘクタール
産地コード(栽培区域コード) 4件
病害虫の巡回 15日ごと
土壌・水質検査 年1回サンプリング・分析
生産記録 紙管理・2027年に電子化予定
企業連携 2022年から

4つの産地コードは、輸出時のトレーサビリティの土台になる。中国向けなどの正規輸出では栽培区域コードと梱包施設コードの登録が前提で、コードを持つ産地とそうでない産地では取引の入口から違う。組合が全員に標準化した生産手順を課すのは、コードの維持と品質のばらつき抑制のためだ。

コードは一度取れば終わりではない。使用農薬の残留や病害虫の発生でコードが停止されれば、輸出が止まる。だからこそ15日ごとの巡回や年1回の土壌・水質検査が、単なる手間ではなく販路を守る保険として機能する。40戸という規模なら、共通ルールを全員に行き渡らせる管理も現実的だ。記録の電子化を2027年に控える点は、紙のままでは追いつかなくなった管理量の裏返しでもある。

なぜ標準化と観光を同時にやるのか

許可された肥料・農薬の使用、総合的病害虫管理(IPM)、15日ごとの巡回、年1回の土壌・水質検査。Tan Lap Dongはこうした管理を組合員に共通ルールとして敷く。生産記録はまだ紙だが、2027年の電子化を予定する。標準化は輸出の要件を満たすためだが、同時に「見せられる畑」をつくる作業でもある。管理が可視化されていれば、園地に招いた客や取引先に品質の根拠を示せる。

ダクラクのドリアンは施肥や選果の改善で品質を揃える動きが広がっている。A級比率を引き上げた農家の取り組みは、標準化が価格に直結することを示している。

日本の輸入者は産地の何を見るか

日本のドリアン需要は冷凍果肉や加工原料が中心で、生果の輸入はまだ限られる。それでも、産地を検証できる相手を早くから押さえる意味はある。園地観光型の産地は、栽培・選果・記録を現地で目視できるため、書類だけでは見えない管理の実態を確かめやすい。産地コードの有無、検査の頻度、記録の電子化計画は、供給の安定性を測る具体的な指標になる。

ベトナム産ドリアンの供給には季節の窓がある。タイの端境が開く調達の窓を踏まえれば、収穫期の産地訪問と観光受け入れを組み合わせる産地は、バイヤーの現地確認の受け皿にもなる。日本の輸入者が生果でなく冷凍果肉を扱う場合でも、原料の育て方と選果の基準を現地で見ておく意味は大きい。加工に回す果実こそ、収穫時の熟度と衛生管理が品質を左右するからだ。

生果偏重から加工・体験へ広げる余地

組合が加工品や体験を増やそうとするのは、生果一本足の価格リスクを避けるためだ。ドリアンは収穫が集中すると相場が下がりやすく、A級とそれ以外で単価も割れる。畑先での完売や体験・加工での上乗せは、その変動を和らげる。産地が販路を自ら広げる動きは、直販や配信でも起きている。KOC配信で村ぐるみで売り切った事例は、産地が卸だけに頼らない売り方を示す。

産地を選ぶ前に確認したいこと

Tan Lap Dongの事例が示すのは、品質管理と産地の物語をひとつのパッケージで見せる産地の可能性だ。日本側が取れる動きは具体的だ。第一に、4件の産地コードの対象区域と有効性、輸出実績を確認する。第二に、土壌・水質検査の結果と病害虫管理の記録を求め、電子化の進み具合を問う。第三に、生果だけでなく冷凍や加工での取引可否、収穫期の産地訪問の受け入れ体制を早めにすり合わせる。産地が畑を開いて見せようとしている今こそ、現場を確かめた側が確度の高い調達を組める。

参照元: Nong nghiep va Moi truong「果実を売るだけでなく、客をドリアン園へ」

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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