NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

中秋の月餅にコムとドリアンの餡、ベトナム産原料の売り先が増えた

ベトナムの農業紙が運営する農産物面「Nông sản Việt」が9月23日、中秋の月餅にコム(若摘みの青米)やドリアン、茶、蓮の実が餡として入るようになったと伝えた。コムを扱う製造所コム・モックフエンは、コム餡の月餅に加えて蓮の実、小豆、緑豆、モチ、数種のナッツの味を並べている。生鮮のまま、あるいは昔ながらの加工品として売られてきた地場の農産物に、菓子の餡という別の出口ができつつあるという内容だ。日本の食品メーカーから見ると、ベトナムの一次原料をペーストや粒で仕入れるとき、生鮮の輸出業者とは別に声をかける先が増えるという話になる。

目次

中秋の月餅にコムとドリアン、昔ながらの餡の横に新顔が増えた

混合餡・緑豆・塩漬け卵黄の横に、コムと茶が並んだ

同紙によれば、焼き月餅(bánh nướng)と練り月餅(bánh dẻo)の餡はこれまで、具だくさんの混合餡(thập cẩm)、緑豆餡、蓮の実、塩漬け卵黄といった昔からの組み合わせが中心だった。ここ数年でコム、ドリアン、茶、蓮、小豆、緑豆、各種のナッツが加わり、一つの菓子に複数の原料を入れる版も出ている。ドリアンは滑らかなペースト状の餡に加工され、茶は豆やナッツと合わせる形がある。マカダミアとカシューについては、風味をつける役と品揃えを増やす役を担っている、という書き方にとどまる。

コム・モックフエンはここ5〜6年でコムの行き先を増やした

コムはハノイの秋の手土産で、これまでは生コムやコムおこわ(xôi cốm)として食べられてきた。いまは月餅のほか、アイス、ヨーグルト、モチ、タピオカミルクティーにも入る。コム・モックフエンの代表グエン・ティ・トゥ・フエン氏は、ここ5〜6年でコムを新しい製品ラインに入れてきたと説明し、月餅では餡にコムを使うほか、蓮の実・小豆・緑豆・モチ・数種のナッツの味を開発したと述べている。記事の写真説明が新しい商品として挙げるのは、コムとココナッツを合わせた焼き月餅だ。

フエン氏の発言として引かれているのは、コムを遠くまで届けて多くの人に知ってもらうには、消費者の求めるものに近い日常的な製品にコムを入れるしかない、という趣旨の一文である。買い手の側から読み替えると、産地が自分で加工形態を探しにきている、という意味になる。

月餅の餡が農産物の出口になるには何を満たす必要があるか

売り場の好みが先に動き、産地が後から原料を差し込んだ

同紙は、自然の農産物に近い原料、あっさりして食べやすい味を求める客層が出てきたと書く。フエン氏は、その需要がコムや蓮、豆、ナッツを月餅に入れる条件を作ったと述べている。順番を取り違えやすいところだ。産地が新しい用途を発明したのではなく、売り場の好みが動いた先に産地が原料を差し込んだ、という順になる。日本側が同じ原料を検討するときも、先に決まるのは自社の商品企画であって、産地の都合ではない。

保存性と量産時のばらつきは、日本側の検収項目とほぼ重なる

同紙は、月餅が季節のはやりで終わらずに本当に農産物の出口になるには、原料が品質、食品安全、保存性、そして大量に作ったときの安定性という要件を満たす必要があると書く。加えて、消費者が原料の値打ちに気づけるだけの特徴的な風味を残すことにも触れている。この4点は、日本の菓子メーカーが海外原料を採用するときに問う項目とほぼ重なる。水分活性と菌数、残留農薬、賞味期限中の香りの減衰、ロット間の色と粒径のばらつき。ベトナム国内向けに整えられた仕様がそのまま日本の規格に乗るとは限らないが、生鮮と昔ながらの加工品しか出口がなかった原料ではなくなってきている。

日本の菓子メーカーが買えるのはペーストか、粒か、粉か

原料ごとに、買える形と確認する点が違う

記事に出てくる原料を、日本側が引き合いを出すときの形に並べ替えると次のようになる。加工形態の欄は同紙の記述に基づき、右の2列は日本の食品メーカーが使う場面と、見積もり前に確認する点を筆者が整理したものだ。

原料 記事が触れている加工形態 日本側の使い道 先に確認する点
コム(若摘み青米) 餡、生コム、おこわ 和菓子の青物系素材、トッピング 収穫期の幅、乾燥後の色と香りの残り
ドリアン 滑らかなペースト餡 菓子餡、アイス、ペストリー 品種と等級、冷凍かレトルトか
茶 豆・ナッツとの組み合わせ 風味付けの粉体 粉の粒度、残留農薬の基準
蓮の実 餡、ナッツ類と並ぶ配合材 餡、甘納豆、トッピング 芯抜きの有無、乾燥品か水煮か
マカダミア・カシュー 配合材(形態の記述はない) トッピング、生地への練り込み 産地の申告、殻剥き後の保管条件

ナッツ2種については、この記事が書いているのは餡材として使われているところまでで、産地までは追っていない。ベトナムの菓子に入っている=ベトナム産、と読み替えないほうがいい。カシューやマカダミアは、殻を剥く加工を担う国と樹を育てる国が一致しないことがある品目でもある。見積もりを取るときは、原産地証明でどの国の畑まで遡れるかを先に聞いておきたい。

一つの作物を部位別に売る産地は、すでにベトナムにある

餡材への転換は、一つの作物から複数の規格を取り出す動きの一例にあたる。ダラットのアーティチョークを一株ごと部位別の規格で買い取る取り組みは、同じ発想を野菜で先に形にした例だ。コムの場合は、餡用、トッピング用、粉体用で求められる粒径と水分がそれぞれ違う。引き合いを出すときに「コム」とだけ書くと、相手は自社が今いちばん売りたい形を送ってくる。

ペースト1kgの値段は、どこで受け渡すかで変わる

取引段階を決めないまま単価を比べない

今回の記事には単価が一つも出てこない。そのため見積もりは自分で取りにいくことになるが、ベトナム側から返ってくる数字は、どの段階での受け渡しかによって中身が違う。段階の違うものを並べて倍率を出すと、産地の取り分を実態より大きく見誤る。

取引段階 価格に入っているもの 買い手が別に負担するもの 確認する書類
畑先渡し 収穫までの生産費 集荷、運搬、選別、加工のすべて 栽培記録、圃場の位置
農場出し(庭先) 収穫と一次選別 加工場までの輸送、加工賃 出荷伝票、計量の方法
加工場渡し 原料、加工、包装 内陸輸送、輸出通関、海上運賃 製造許可、衛生管理の認証、分析成績書
輸出FOB(本船渡し) 加工場渡しに内陸輸送と輸出通関を足したもの 海上運賃、保険、日本側通関 原産地証明、必要な検疫証明、インボイス
国内卸の建値 ベトナム国内の流通相場 輸出対応のすべて 相場の出所と日付

同じ品目でも出荷の時期で単価は動く。ハイフォンで端境期に蓮を咲かせ、単価を旬の二倍にした農協の例は、蓮の実を餡材として買う側から見ると、通年で同じ値段を前提に年間計画を組めないという意味になる。

ドンの桁と区切り記号を読み違えると金額が一桁変わる

ベトナム語の見積もりや現地報道では、tỷ が10億、triệu が100万、nghìn tỷ が1兆を指す。tỷ を1億と読むと、金額を10分の1に見積もることになる。加えてベトナム語表記ではコンマが小数点、ピリオドが桁区切りになる。表記の例を挙げると、「180.000 đồng/kg」は1kgあたり18万ドンで、180ドンではない。相手が英語で書いてきた場合は逆の流儀が混ざることもあるため、数字を受け取ったら単位と1kgあたりかを口頭で読み上げて確認し、円換算するならその日のレートを見積書に併記してもらうのが早い。

来年に間に合わせるなら、現物は中秋が終わる前に頼む

収穫期が原料の入り口を決める

中秋は旧暦8月15日で、月餅の製造はその前の数週間に集中する。コムはハノイの秋に結びついた食べ物で、餡に回る量も収穫期に縛られる。今動いている製造ラインの現物を手元に置けるのは、この時期を逃すと1年後になる。ドリアンのペーストを検討する場合は事情が違い、果実が増える一方でA級品の比率が下がり、日本の買い手が工場の選別能力を見るようになった流れのほうが効いてくる。原料が季節で決まるものと、選別の腕で決まるものを、同じ物差しで比べないほうがいい。

最初に頼むのは1品目の仕様書1枚

商談の前に取り寄せるものを絞ると、相手の実力がすぐ見える。下の5項目が1枚に収まって出てくるなら、少量から試す相手として話を続ける値打ちがある。

頼むもの 読み取れること
対象1品目の規格書(水分、粒径、原材料表示) 自社の商品に載る形かどうか
直近ロットの分析成績書 検査を外部に出しているか、自称か
月別の製造可能量と繁忙期 中秋以外の時期に作れるか
提示単価がどの取引段階か 見積もりを他社と並べられるか
保管条件と賞味期限、香りの保持期間 日本までの輸送に耐えるか

季節商戦に合わせて回っている製造所に、いきなり輸出仕様を求めても話は進みにくい。最初の一歩は、餡ではなく原料としての規格書を1品目分だけ出してもらうことだ。それが出ない相手なら、今季は現物のサンプルだけ確保して、話を来年の企画に回せばいい。

この記事で参照した資料

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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