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香港アジア果実展に越22社、中国以外へ動く取引先の名前

香港で開かれる青果の国際見本市アジア・フルーツ・ロジスティカ2026(9月2〜4日)に、ベトナムから22社が24のブースを構えた。40カ国・地域の730社が集まる会場で、越勢が名指しした行き先はインドと中東である。中国に偏っていた販路を組み替える動きが表に出た形で、日本の農産物バイヤーにとっては新しい取引先の名簿になる。

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香港に越22社が24ブース、対印・中東を狙う

出展をまとめたのはベトナム果物野菜協会(VFVA)で、規模は24ブース・22社。同協会事務局長のダン・フック・グエン氏は、この見本市を取引先探しと市場拡大、産地の品質と評判の発信の場と説明している。出展規模は2017年の10社から22社へ広がった。会場全体は40カ国・地域の730社で、越の24ブースはその一角を占める。中国のバイヤーが多く訪れる香港は、ベトナムの産地が欧米・中東の買い手と直接向き合える結節点になっている。

Pulimexは6品目、Vinafoodはインドと中東を名指し

出展社の顔ぶれのなかで、扱い品目まで開示したのがプリメックス(Pulimex Import-Export)である。ドラゴンフルーツ、ココナッツ、バナナ、龍眼、ランブータン、マンゴーの6品目を並べた。同社のレ・ミン・トゥアン氏は、この会場をアジアにとどまらず米国・欧州・豪州・中東・アフリカへ届く商談の場と位置づけている。もう一社、ヴィナフード・インターナショナル(Vinafood International)はインドと中東向けの輸出を前面に掲げた。買い手を1社に絞らず複数地域へ同時に売り込む姿勢は、香港の別の見本市で越ロブスタを日本と各国が奪い合った構図とも重なる。

輸出額は2025年に86億ドル、2026年は100億ドル超の見込み

ベトナムの果物・野菜輸出は2024年の約70億ドルから2025年に86億ドルへ伸び、2026年は100億ドルを超える見込みが示されている。2026年の牽引役はドリアン、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツの3品目。出展22社が扱うのはこの主力に、ココナッツやマンゴー、龍眼といった熱帯果実を重ねた構成で、日本の輸入者が探す品目とも重なりが多い。

中国が輸出の54%、ドリアンは9割超が中国向け

金額が伸びる一方で、行き先の偏りははっきりしている。業界統計では中国が越の果物・野菜輸出の54%を占め、ドリアンにいたっては輸出額の9割超が中国市場に結びつく。単価の変動や検疫方針の切り替えが起きたとき、一つの市場に依存した産地は値崩れを避けにくい。輸出が3割増でも中国国内で卸値が半減したドリアンの局面は、その脆さを産地に突きつけた。香港での対印・中東アピールは、この偏りを崩す実務の一歩である。

インドが2026年に生鮮ドリアンを受け入れ、中東にも販路

行き先の分散は掛け声だけではない。インドは2026年に検疫条件付きで越産の生鮮ドリアンを受け入れ始め、ドラゴンフルーツもインドと中東向けに数量を伸ばしている。バナナは東南部の産地から日本・韓国・中東へ届いている。Vinafoodが掲げるインド・中東は、こうした実際の解禁と数量の動きの上に置かれた行き先で、机上の目標ではない。トルコのようにココナッツと冷凍品で新市場を開いた事例も出ており、輸出先を面で広げる動きが続く。

前年の会場成約は約500万ドル

この見本市が商談の場として機能している根拠が、前年の実績である。2025年の同展では約500万ドルの成約があったと主催側が説明している。ブースを構える22社は、その成約実績を踏まえて再び香港に出てきた企業群であり、名刺交換で終わらせない意思を持った売り手と見てよい。日本のバイヤーが会場で拾えるのは、価格表だけでなく、実際に契約まで進める運用体制を備えた相手である。

日本の商社が見るべきは「中国以外へ動く企業」

日本の農産物バイヤーにとっての読みどころは、出展社が中国以外を狙っている点そのものにある。中国向けに数量をさばいてきた産地は、日本向けの小ロットや規格対応に慣れていないことが多い。対して今回、インド・中東・欧米へ販路を広げようとしている企業は、複数の輸出先ごとに規格や梱包、書類を切り替える体制を作りつつある。Pulimexのように扱い品目を明示し、Vinafoodのように行き先を名指しする企業は、日本の商社が求める品目別・仕向地別のやり取りにも乗りやすい。出展22社は、こうした「動いている売り手」を一覧できる入口になる。

香港を結節点にする調達動線

香港は中国本土と東南アジアの産地を結ぶ物流の中継点で、青果の国際見本市が置かれてきた土地でもある。ベトナムの産地からすれば、中国のバイヤーと欧米・中東の買い手が同じ会場に集まるため、行き先を分ける交渉を一度に進められる。日本の輸入者にとっても、産地を直接訪ねる前に複数社の品目・規格・仕向地を比べられる場になる。会場で得た接点を、産地コードや検疫条件の確認へつなげれば、調達動線を一本にまとめやすい。

出展22社の名簿が調達の入口になる

アジア・フルーツ・ロジスティカ2026に並んだ越22社は、中国依存を自ら崩そうと動いている売り手の集まりである。Pulimexの6品目、Vinafoodの対印・中東という具体名は、日本の商社が最初に当たるべき相手として使える情報だ。輸出額が100億ドルへ向かう局面で、産地が行き先を広げる今は、日本側から品目と数量を持ちかける余地が広がっている。会場の名簿を、次の仕入れ交渉の起点に据える価値がある。

参照元:
Vietnam+ — Vietnam’s fruit gains stronger foothold in global markets
Vietnam+ — Vietnam’s fruit sector reaches new milestones
FreshPlaza — Vietnamese fruit and vegetable exports target US$10 billion in 2026

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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