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ラオカイOCOP58品、即席メンマ2品がISO22000で4つ星に

ベトナム北部ラオカイ省が2026年第1弾のOCOP評価で58品を認定し、そのうち即席の竹の子加工品2品が4つ星に格上げされた。原料の輸出から、味付けまで仕上げた惣菜への移行がはっきり数字に出た事例で、日本のメンマや山菜の調達を考えるうえでも見どころがある。ここでは加工度と品質基準(ISO 22000)に絞って整理する。OCOP制度そのものの仕組みは「一村一品」OCOPの星評価の記事にまとめてある。

目次

58品のうち4つ星は14品、竹の子の即席加工2品が最高位に並んだ

ラオカイ省の2026年第1弾では、3〜4つ星のOCOP認定が計58品。内訳は4つ星が14品、3つ星が44品だった。4つ星14品の中身は、新規評価が2品、既存3つ星からの格上げが11品、更新(再評価)が1品。3つ星44品は新規19品と更新25品で構成される。既存品の底上げが大半を占め、ゼロから増やすより「星を1つ上げる」動きが中心だったことがわかる。

格上げ組で目を引いたのが、イエンタイン社(Công ty Cổ phần Yên Thành)の竹の子加工品2品だ。開封してそのまま食べられる「Măng ăn liền Yên Thành(即席メンマ)」と、唐辛子で和えた「Măng ớt giòn Thác Bà(唐辛子入りパリパリ竹の子)」がそろって4つ星に上がった。原料の乾燥竹の子や水煮ではなく、味付け済みの惣菜として最高位に届いた点が、この産地の加工度が一段上がったことを示している。

項目 数値 備考
2026年第1弾のOCOP認定数 58品 3〜4つ星
4つ星 14品 新規2・格上げ11・更新1
3つ星 44品 新規19・更新25
イエンタイン社の4つ星 2品 即席メンマ/唐辛子入り竹の子
再評価サイクル 36カ月ごと 星の維持に再審査が必要

4つ星の壁はISO 22000、イエンタイン社は2年かけて日本式の加工を整えた

3つ星と4つ星を分ける実務的なハードルが、食品安全マネジメントの国際規格ISO 22000:2018だ。報道によれば、4つ星を狙う生産施設はこの規格を満たすことが求められ、工程の標準化・トレーサビリティ・原料調達の管理が前提になる。イエンタイン社の場合、3つ星を取ってから約3年が経ち、4つ星の申請に向けて約2年をかけて設備と工程を整えた。加工には日本の技術を取り入れたと同社の責任者(Nguyễn Đức Dũng氏)は説明している。

星が1つ上がるのに数年がかりというのは、装飾的な認証ではなく、実際に管理体制を作り替える必要があることを意味する。バイヤー側から見れば、4つ星は「味の評価」というより「工程が文書化され、追える状態にある」ことの目印に近い。北部の加工品がこの基準に届いた例としては、ハイフォンの魚醤が5つ星に届いた事例も同じ流れで読める。

旧イエンバイの竹の子が、原料の産地から加工の産地へ変わりつつある

今回4つ星に上がった竹の子加工品の産地名「Thác Bà(タックバー)」は、もともと隣のイエンバイ省にあった地名だ。2025年の行政再編(決議202/2025/QH15)でイエンバイ省はラオカイ省に統合され、タックバー湖周辺も新しいラオカイ省の一部になった。つまり今回の「ラオカイOCOP」には、竹林資源が豊かな旧イエンバイ側の加工品が加わっている。

この地域の竹の子はこれまで、乾燥や水煮といった一次加工の原料として出回ることが多かった。そこに即席惣菜という完成品が最高位で認められたことは、原料を安く出す段階から、味付けまで自前で仕上げて付加価値を取りにいく段階へ、産地の立ち位置が動き始めたサインと見える。

日本のメンマ調達は中国産の比重が高い、ISO 22000がベトナム産の入口を広げる

ここが日本側から見た読みどころになる。国内で流通するメンマの多くは輸入に頼り、中でも中国産の比重が高いとされる。ラーメン店や食品メーカーにとって、原料が一国に偏る状態は価格変動や供給停止のリスクを抱える。調達先の選択肢を1つでも増やせることには実利がある。

ベトナム北部は麻竹をはじめ竹の子の産地で、これまでは品質のばらつきや安全管理の証明が調達の壁になりやすかった。ISO 22000を満たした加工事業者が具体名で出てきたことは、その壁が下がり始めたことを意味する。すぐにメンマの主要調達先が入れ替わるわけではないが、「4つ星+ISO 22000+日本式加工」という組み合わせは、日本のバイヤーが試しに引き合いを出す際の判断材料になりうる。竹の子に限らず、ワラビやゼンマイといった山菜の水煮・味付け品でも、同じ物差しが効いてくる。

産地選定で見るのは星の数と、36カ月ごとの再評価に耐えているか

実務で使うなら、星の数だけでなく「その星をいつ取り、更新しているか」まで見たい。OCOPは36カ月ごとの再評価が必要で、更新できずに星を落とす品も出る。今回3つ星44品のうち25品が更新で、11品が3つ星から4つ星へ上がっているのは、この産地が既存品を維持・底上げできている証拠になる。逆に、格上げ実績のない新規品ばかりの産地は、体制がまだ試されていないと見ておくのが安全だ。

日本の産地選定にOCOPの星をどう当てるかは、ニンビン省のOCOP60品を題材にした記事でも触れている。竹の子・山菜の調達では、①4つ星以上か、②ISO 22000などの安全認証を持つか、③直近の再評価をくぐっているか、の3点を最初のふるいにすると、サンプル依頼の前に候補をかなり絞り込める。ラオカイのイエンタイン社は、この3点をいずれも満たした具体例として控えておく価値がある。

参照元

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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