NÔNG NGHIỆP VIỆT NAM — TẠP CHÍ NÔNG NGHIỆP ĐÔNG NAM Á

VietFish 2026が産地視察付き商談へ、日本に開く調達の好機

ベトナム最大の水産見本市「VietFish 2026」が8月19日、ホーチミン市のサイゴン展示会議センター(SECC)で開幕した。3日間・568ブース・18の国と地域が集まる今年の目玉は、初めて導入された「ホステッド・バイヤー・プログラム」だ。主要輸入国のバイヤーを招き、メコンデルタの養殖場や加工工場まで案内する。単なる商談会から、産地を見せて信頼で結ぶ場へ——この設計変更は、対米関税の逆風で調達先を組み替えたい日本の水産バイヤーにとって、またとない接点になる。

目次

568ブース、14,000㎡。数より「価値の連結」へ舵

主催はベトナム水産物輸出加工協会(VASEP)。展示面積は14,000平方メートルを超え、エビ・ナマズ(パンガシウス)・イカ・タコ・貝・カニといった主力品目が並ぶ。VASEP会長のド・ゴック・タイ氏は、今回の狙いを「従来の展示会から、産業全体の価値連鎖をつなぐ戦略的な場へ進化させる」と説明した。会場に来た輸入業者を、生産現場まで連れて行く仕組みがその象徴だ。

数字も追い風になっている。ベトナムの水産輸出は2025年に113億ドル、2026年は1〜7月で69億ドルと前年同期比12.8%増で推移し、通年120億ドルを目標に置く。伸びの中身は、価格ではなく加工度とトレーサビリティ(生産履歴の追跡)で付加価値を取りにいく方向へ動いている。

項目 内容
会期・会場 2026年8月19日〜3日間/ホーチミンSECC
規模 568ブース・18カ国地域・14,000㎡超
主催 VASEP(ベトナム水産物輸出加工協会)
新企画 ホステッド・バイヤー・プログラム(産地・加工場視察付き)
輸出実績 2025年113億ドル/26年1-7月69億ドル(前年比+12.8%)

なぜ「産地を見せる」商談が効くのか

水産の国際調達では、価格表と検査証明だけでは埋まらない不安がある。養殖の水質管理、抗生物質の使用、加工場の衛生、そして数量を安定して出せるか。これらは現場を見ないと腹落ちしない。ホステッド・バイヤー型は、その不安を「見学」で先回りして解く。香港フードエキスポで越ロブスターの取り合いが起きたように、良い産地は世界のバイヤーが奪い合う。先に現場を押さえた者が、翌年の枠を握る。

対米関税の逆風は、日本にとっての順風になりうる

ここが日本の調達担当にとっての核心だ。ベトナム産エビやパンガシウスは米国市場で反ダンピングや追加関税の圧力を受けており、輸出先の分散が課題になっている。米国向けに回りきらない良質なロットは、CPTPPで関税メリットのある日本へ振り向く余地が生まれる。つまり、米国の逆風は、日本のバイヤーにとって「これまで取りにくかった上位ロットを、今なら押さえられる」局面を作っている。

実際、産地側は対日を強く意識し始めている。産地コードを整えて日本向けに動くドンタップの事例のように、日本の求める書類・規格に合わせる生産者が増えている。VietFishの視察枠は、そうした「対日対応済み」の相手を短時間で見極める場になる。

視察・商談を実務に落とすチェックリスト

  • 視察では「加工度」を軸に見る。原体か、一次加工か、味付け済みか——付加価値と単価が変わる。
  • 年間の生産可能量と繁忙期(収穫・漁期)を確認し、自社の発注カレンダーと重ねる。
  • トレーサビリティの実装度(産地コード・ロット管理)を現場で確かめる。書類の有無だけで判断しない。
  • 対米余剰ロットの振り向けは一時的な好機。長期契約に落とせるかは別途詰める。

展示会が「調達インフラ」に変わる流れ

水産の国際見本市は、ブースで名刺を交わす場から、産地・加工・物流までを一括で確かめる「調達インフラ」へと役割を移しつつある。ボストンやブリュッセルの大型シーフードショーが商談の中心地であり続けるのは、単なる展示ではなく、バイヤーと生産者の関係構築の場として機能しているからだ。VietFishが視察枠を設けたのは、その世界標準に追いつく動きと読める。ベトナムにとっては、エビやパンガシウスといった主力品目を「安い原料」から「トレーサブルな加工品」へ引き上げ、単価と信頼を同時に取りにいく戦略の一環だ。日本のバイヤーにとっては、現地の生産履歴管理がどこまで実装されているかを自分の目で確かめられる、貴重な機会になる。円安下でも、加工度の高い商材を安定供給できる相手を確保できれば、調達コストの変動を吸収しやすくなる。

まとめ

VietFish 2026は、ブース数を誇る展示会から「産地を見せて信頼で結ぶ」商談基盤へと役割を変えた。米国の関税圧力でベトナム水産が輸出先を組み替える今、日本のバイヤーは上位ロットを取りにいく好機に立っている。会場で名刺を交わすだけでなく、メコンの現場まで足を運べるかどうかが、来季の調達力を分ける。

参照元
・VietnamPlus「VietFish 2026 spotlighting innovation, sustainability in seafood industry」(2026年8月19日)
https://en.vietnamplus.vn/vietfish-2026-spotlighting-innovation-sustainability-in-seafood-industry-post350382.vnp

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

目次