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ヌクマムとは|ナンプラーとの違い・代用・使い方

ヌクマムは、ベトナム料理に欠かせない魚醤(ぎょしょう)です。カタクチイワシを塩漬けにして長期間発酵させた、琥珀色のうまみたっぷりの調味料で、フォーや生春巻きのタレ、炒め物の隠し味まで幅広く使われます。タイのナンプラーと似ていますが、味わいには違いがあります。日本でも手に入りやすく、一本あれば本格的なベトナムの味を再現できます。

この記事では、ヌクマムとは何かという基本から、ナンプラーとの違い、フーコック島など名産地と等級の見方、独特の香りと使い方、定番のつけダレ「ヌクチャム」のレシピ、ナンプラーで代用できるか、日本での入手までまとめました。

目次

ヌクマムとは|ベトナムの魚醤

ヌクマム(nước mắm)は、ベトナムを代表する魚醤です。小魚を塩とともに大きな樽に漬け込み、一年ほどかけてじっくり発酵・熟成させてつくられます。にじみ出てくる琥珀色の液体がヌクマムで、魚のうまみが凝縮されています。

主な原料は、カタクチイワシ(ベトナム語でカーコム)という小魚です。魚と塩だけを使い、添加物に頼らずに発酵させる伝統的なつくり方が、深いうまみと香りを生みます。日本の醤油が大豆からつくる発酵調味料であるのに対し、ヌクマムは魚からつくる発酵調味料です。塩気の奥にうまみとコクがあり、料理にかけたり、タレにしたり、煮込みの味つけにしたりと、ベトナムの食卓で日々活躍しています。

ヌクマムとナンプラーの違い

ヌクマムと混同されやすいのが、タイの魚醤「ナンプラー」です。どちらもカタクチイワシを発酵させた魚醤で、つくり方も似ていますが、産地や風味に違いがあります。

項目ヌクマムナンプラー
産地ベトナムタイ
主な原料カタクチイワシ+塩カタクチイワシ+塩(砂糖を加えることが多い)
味わいうまみが濃くまろやか塩気と香りが強め
使い方タレ・かけ・煮込み炒め物・エスニック料理

原料や製法はよく似ているため、互いに近い調味料といえます。違いとして語られるのは風味です。ヌクマムは魚のうまみが濃く、香りがややまろやかと評されることが多く、ナンプラーは塩気と発酵の香りがより力強い傾向があります。とはいえ、銘柄や等級による差も大きいため、実際の味わいは商品ごとに幅があります。ナンプラーは仕上げに砂糖を加える製法が一般的で、これがヌクマムよりまろやかに感じられる一因ともいわれます。ベトナム料理にはヌクマム、タイ料理にはナンプラーと、それぞれの国の味づくりに根ざして使い分けられています。

名産地フーコック島と等級の見方

ヌクマムには産地ごとの個性があり、なかでも南部のフーコック島産は最高級として知られています。選ぶときは等級の見方も知っておくと役立ちます。

フーコック島(フーコック)は、良質なカタクチイワシが穫れることで有名な魚醤の名産地です。ここでつくられるヌクマムは香り高く、地理的表示として保護されるほどの評価を得ています。ほかにも、中部のニャチャンやファンティエットが産地として知られています。品質の目安になるのが、ラベルに記された「度(独自の窒素含有量の表示)」です。この数値が高いほどうまみが濃く、上質とされます。伝統的な製法でつくられた高い等級のものは、料理にかけるだけでうまみが際立ちます。ベトナムの水産業については水産・エビカテゴリでも取り上げています。

独特の香りと使い方

ヌクマムは、発酵食品ならではの独特な香りを持っています。はじめは強く感じても、料理に使うとうまみへと変わります。

瓶を開けたときに立つ独特の香りは、魚を発酵させた魚醤に共通するものです。加熱すると香りはやわらぎ、料理に深いコクとうまみを加えます。炒め物や煮込みに少量を加えると、味に深みが出ます。生のままタレに使うときは、水やライム、砂糖で割ると香りがまろやかになり、ぐっと食べやすくなります。少量でしっかり味が決まるので、まずは控えめに加えて、味を見ながら調整するのがコツです。

定番のつけダレ「ヌクチャム」の作り方

ヌクマムを使った代表的なタレが「ヌクチャム(nước chấm)」です。生春巻きや揚げ春巻き、バインセオなどに添える、甘酸っぱいつけダレです。

  1. ヌクマム・水・砂糖・ライム果汁を混ぜ合わせる
  2. 砂糖が溶けるまでよくかき混ぜる
  3. 刻んだにんにくと唐辛子を加える
  4. 味を見て、酸味や甘みを好みに調整する

基本は、ヌクマムを水で割り、砂糖とライムで甘酸っぱく仕上げます。にんにくと唐辛子を加えると、香りと辛みが効いた本格的な味になります。割合は好みで調整でき、酸味を強くしたり、甘めにしたりと自在です。生春巻きや揚げ春巻きをこのタレにつけると、ヌクマムのうまみと爽やかな酸味が広がります。多めに作って冷蔵しておけば、いろいろなベトナム料理に使えて便利です。

ナンプラーで代用できる?

レシピにヌクマムが見当たらないときは、手元の調味料で代用できないか気になるところです。近い調味料があれば、ある程度は置き換えられます。

もっとも近い代用品はナンプラーです。原料も製法も近いため、ヌクマムの代わりに使っても大きな違和感はありません。ナンプラーはやや塩気が強めなので、少なめから加えて調整するとよいでしょう。秋田の「しょっつる」や能登の「いしる」といった日本の魚醤も、同じ発酵調味料の仲間で代用に使えます。手近なもので試しつつ、本格的に作りたいときはヌクマムを用意すると、ベトナムらしい味わいに近づきます。

日本での入手

ヌクマムは、日本でも手に入りやすい調味料です。エスニック料理の人気で、扱う店が増えています。

輸入食材店やアジア食材店、大きめのスーパーのエスニック調味料コーナーで見かけます。通販なら、フーコック産など産地や等級を選んで購入できます。はじめて買うなら、クセが少なく使いやすい中程度の等級のものがおすすめです。開封後は冷暗所か冷蔵庫で保存すれば、長く使えます。一本あれば、フォーやヌクチャム、炒め物まで幅広く使えます。ベトナム食材やお土産を探す際は、姉妹サイトのベトナム土産専門サイトもあわせてご覧ください。

よくある質問

ヌクマムとは何ですか?

カタクチイワシを塩漬けにして発酵させた、ベトナムの魚醤です。琥珀色でうまみが濃く、フォーや生春巻きのタレ、炒め物の味つけなどに幅広く使われます。魚と塩だけでつくる伝統的な発酵調味料です。

ヌクマムとナンプラーの違いは何ですか?

ヌクマムはベトナム、ナンプラーはタイの魚醤で、どちらもカタクチイワシを発酵させたものです。一般にヌクマムはうまみが濃くまろやか、ナンプラーは塩気と香りが強めと言われますが、銘柄や等級による差も大きく、近い調味料です。

ヌクマムはナンプラーで代用できますか?

代用できます。原料も製法も近いため、ナンプラーで置き換えても大きな違和感はありません。ナンプラーは塩気がやや強めなので、少なめから加えて調整しましょう。日本の魚醤であるしょっつるやいしるも代用に使えます。

ヌクマムの独特な香りが気になります。

発酵魚に由来する香りで、加熱するとやわらぎます。生で使うときは、水・ライム・砂糖で割るとまろやかになり食べやすくなります。少量でうまみが出るので、控えめに加えて味を調整するのがコツです。

つけダレのヌクチャムはどう作りますか?

ヌクマムを水で割り、砂糖とライム果汁で甘酸っぱく整え、刻んだにんにくと唐辛子を加えます。割合は好みで調整でき、生春巻きや揚げ春巻きのつけダレにぴったりです。多めに作って冷蔵しておくと便利です。

まとめ|一本で広がるベトナムの味

ヌクマムは、カタクチイワシを発酵させたベトナムの魚醤で、うまみの濃さが魅力です。タイのナンプラーとは近い調味料ですが、まろやかなうまみに個性があります。フーコック島産など産地や等級を選ぶ楽しみもあり、つけダレのヌクチャムにすれば生春巻きの味が本格的になります。ナンプラーや日本の魚醤で代用もでき、独特の香りも加熱すればうまみに変わります。一本あれば、家庭でベトナム料理の世界が広がります。

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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