中部高原(Tây Nguyên)

ベトナム語名 Tây Nguyên(タイグエン)
面積 約54,500 km²
人口 約600万人
気候 熱帯高原気候。標高600〜1500m。乾季(11〜4月)と雨季(5〜10月)が明瞭。
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概要

中部高原(タイグエン)はベトナムのコーヒーベルトであり、世界第2位のコーヒー生産国ベトナムの中核産地です。5つの省(ダクラク、ラムドン、ザーライ、ダクノン、コントゥム)からなり、標高600〜1,500mの赤い玄武岩台地が広がっています。この肥沃なバザルト土壌(đất đỏ bazan)がコーヒーや胡椒の栽培に極めて適しています。

1990年代以降、コーヒー・胡椒・ゴム・カシューナッツの大規模プランテーションが急拡大し、ベトナム農業の「黄金地帯」となりました。一方で、森林伐採や水資源の枯渇といった環境問題も深刻化しており、持続可能な農業への転換が急務となっています。

バナール族、ザライ族、エデ族など多くの少数民族が暮らし、ゴング文化はUNESCO無形文化遺産に登録されています。

農業の特徴

中部高原の農業は「5大作物」に集約されます:コーヒー(約65万ha)、胡椒(約15万ha)、ゴム(約25万ha)、カシューナッツ(約10万ha)、カカオ。特にコーヒーはベトナム全体の生産量の約90%がこの地域から産出され、ロブスタ種が主力です。

近年の変化として、①コーヒーの品質向上(スペシャルティ化)、②マカダミアナッツやアボカドなど新規作物への転換、③有機農業・アグロフォレストリーの推進が挙げられます。ダクラク省やラムドン省では、日本のJICA支援によるコーヒー品質改善プロジェクトも実施されています。

主要農産物

コーヒー(ロブスタ種中心・約65万ha)、胡椒(約15万ha)、ゴム(約25万ha)、カシューナッツ(約10万ha)、カカオ、アボカド、マカダミアナッツ、ドリアン、花卉(ダラット)、野菜(ダラット高原野菜)

輸出・物流

中部高原の農産物は主にホーチミン市の港湾(カットライ港・カイメップ港)から輸出されます。コーヒーの最大輸出先はドイツ・イタリア・日本、胡椒は米国・EU・インドが主要市場です。近年はダナン港やクイニョン港の利用も増えており、物流ルートの多様化が進んでいます。

課題と展望

地下水の枯渇と気候変動が最大の脅威です。コーヒー農園の灌漑用水が不足し、乾季の水不足が深刻化しています。持続可能な水管理、シェードツリー(日陰樹)を活用したアグロフォレストリー、老木の植え替え(約30%が樹齢20年超)などが優先課題です。また、コーヒーの国際価格変動に左右されやすい経済構造の多角化も求められています。

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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