概要
ベトナムは世界第3位のシナモン(カシア)生産国で、年間生産量は約4万トンの樹皮と約2万トンの精油です。ベトナム産シナモンは香りが強く、精油含有率が高いことで知られ、スパイス、製薬、化粧品原料として世界中で利用されています。栽培面積は約15万ヘクタールに達します。
栽培地域・産地
イエンバイ省はベトナム最大のシナモン産地で、全国生産量の約60%を占めます。「イエンバイ・シナモン」は地理的表示(GI)保護を受けており、ブランド化が進んでいます。ラオカイ省、クアンナム省も重要な産地です。北部山岳地帯の少数民族コミュニティが伝統的な栽培・加工技術を守り続けています。
栽培方法・収穫期
シナモンの木は定植から10〜15年で初めて樹皮の収穫が可能になります。収穫期は9月から11月の乾季に集中し、樹皮を剥ぎ取って天日乾燥します。精油は葉や小枝から蒸留で抽出されます。長期間の栽培が必要ですが、その分持続可能な森林経営にも貢献しています。
輸出・市場動向
ベトナム産シナモンの年間輸出額は約3億ドルです。主要輸出先はインド、アメリカ、EU、日本です。樹皮のほか、シナモンパウダー、シナモン精油の形態で輸出されています。有機認証シナモンの需要が高まっており、プレミアム市場での販売拡大が図られています。
日本との関わり
日本はベトナム産シナモンの重要な輸入先で、漢方薬(桂皮)の原料として需要があります。また、製菓・製パン業界でもスパイスとしての利用が増加しています。日本の品質基準に適合した製品が安定的に輸入されており、残留農薬検査の厳格な管理が行われています。