コーヒー(アラビカ種)

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概要

ベトナムのアラビカ種コーヒーは、全コーヒー生産量の約5%程度と少量ですが、近年その品質の高さから国際的に注目を集めています。アラビカ種はロブスタ種に比べて繊細な風味と豊かな香りが特徴で、スペシャルティコーヒー市場での需要が急増しています。

ベトナムのアラビカ種は年間約5〜6万トン生産されており、カトゥーラ種やカティモール種など複数の品種が栽培されています。高品質なアラビカの生産拡大は、ベトナムコーヒー産業の高付加価値化戦略の中核を担っています。

栽培地域・産地

アラビカ種の栽培は、標高1,000m以上の涼しい高地に限られます。主要産地はラムドン省(ダラット周辺)と北西部のソンラ省です。ラムドン省は年間平均気温18〜22度、標高1,200〜1,500mの環境がアラビカ栽培に最適です。ソンラ省では少数民族の農家が伝統的な方法で栽培を行い、独特の風味プロファイルを生み出しています。

栽培方法・収穫期

アラビカ種の収穫期は11月から翌年3月にかけてです。完熟した実のみを選別して手摘みで収穫するチェリーピッキングが主流です。収穫後はウォッシュド(水洗式)またはナチュラル(自然乾燥式)で加工されます。近年は発酵技術を活用したアナエロビック(嫌気性発酵)処理も導入され、独特のフレーバーを持つコーヒーが生産されています。

輸出・市場動向

ベトナム産アラビカコーヒーはEU、日本、アメリカ、韓国に輸出されています。スペシャルティグレードのものはkg当たり10ドル以上の高値で取引されることもあり、通常のロブスタの3〜5倍の価格になります。品質コンテスト受賞を契機に国際評価が急上昇しており、ベトナムコーヒーの新たなブランド価値を築いています。

日本との関わり

日本のスペシャルティコーヒーロースターを中心に、ベトナム産アラビカへの関心が高まっています。日本のコーヒー輸入業者がダラットやソンラの農園と直接取引を行うダイレクトトレードも増加しています。日本市場ではシングルオリジンとしての認知度向上が課題ですが、品質の高さから今後の輸入拡大が期待されています。

参考情報

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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