ベトナム青果輸出が1〜4月で20.6億ドル(前年比22%増)——Q2はライチ・マンゴー・ドリアン最盛期、年間100億ドル目標へ加速

ベトナム税関総局の最新統計によると、2026年1〜4月の青果(果物・野菜)輸出額が累計20億6,000万ドルに達し、前年同期比22%増となった。4月単月でも約5億3,200万ドルを記録。2025年通年の実績85億ドルを上回るペースで推移しており、政府が掲げる年間100億ドルの目標達成に向けて勢いが増している。

目次

1〜4月の輸出額20.6億ドル——4月単月は5.3億ドル超

Vietnam News(4月22日付)の報道によると、ベトナムの2026年1〜4月の青果輸出は累計20億6,000万ドルとなり、前年同期を22%上回った。第1四半期(Q1)だけで15億3,000万ドルを達成しており、これは前年Q1比で31.4%の増加にあたる。

4月単月の輸出額は約5億3,200万ドル。3月に引き続き高水準を維持しており、ドリアン、ジャックフルーツ、ココナッツ、パッションフルーツ、ポメロ、ロンガンが主力品目として輸出を牽引した。

一方、1〜3月の青果輸入額は7億6,140万ドル(前年比25.7%増)で、輸出との差し引きによる貿易黒字は約9億9,800万ドルに達している。輸出の伸び率が輸入を上回っている点は、ベトナム青果産業の国際競争力が着実に強まっていることを示している。

中国が輸出先の50%超——市場集中と多角化の両面

輸出先では中国が引き続き全体の50%超を占め、圧倒的なシェアを維持している。中国向けドリアンの「グリーンレーン」制度が2026年4月から本格運用されたことで、通関スピードが大幅に改善し、輸出量の拡大を下支えしている。

中国以外では、米国、韓国、日本が主要市場として機能している。加えて、中東・欧州市場への新規参入も進行中だ。豪州向けポメロの初出荷が2026年4月に実現したことは、市場多角化の象徴的な事例といえる。

主要データで見る1〜4月の青果輸出

指標2026年前年比
1〜4月 輸出額20億6,000万ドル+22%
4月単月 輸出額約5億3,200万ドル
Q1 輸出額15億3,000万ドル+31.4%
Q1 輸入額7億6,140万ドル+25.7%
1〜4月 貿易黒字約9億9,800万ドル
2025年通年 実績85億ドル
2026年 年間目標100億ドル

(出典:Vietnam News、VietnamPlus、ベトナム税関総局統計)

業界関係者の見方

ベトナム果実野菜協会(Vinafruit)のダン・フック・グエン事務局長は、「企業は生産の近代化を進め、先進的な農業技術とポストハーベスト処理を導入し、輸入国の要件を厳格に遵守すべきだ」と強調。100億ドル目標の達成には品質管理体制の底上げが不可欠との認識を示した。

農業環境省のレ・ヴィエット・ビン官房副長官は、「第2四半期も青果輸出は力強い勢いを維持する見通しだ」と述べ、冷凍フルーツや生ココナッツの新たな輸出プロトコルが追い風になるとの見解を示した。

現地の輸出業者からは、「ドリアンのグリーンレーン制度で中国向けの通関が1〜2日短縮された。冷凍チェーンの維持が容易になり、品質クレームも減少している」との声が上がっている。

日本の食品業界への影響——調達多様化と価格動向

日本はベトナムにとって上位の輸出先であり、今回の輸出急増は日本市場にも直接的な影響をもたらす。

ベトナム産ドリアンの供給拡大は、タイ産一極集中だった日本のドリアン調達構造に変化をもたらす可能性がある。中部高原でコーヒーからドリアンへの転作が進んでいることも、中長期的な供給量の増加を示唆している。

一方、パッションフルーツのEU向け残留農薬違反が報じられたことは、日本のバイヤーにとっても輸入検査体制の確認を迫る材料だ。ベトナム側が産地管理・包装施設の監督を強化している点は好材料だが、品目ごとのリスク評価は引き続き必要になる。

Q2の注目ポイント——ライチ・マンゴー最盛期と新プロトコル

第2四半期はベトナム青果輸出にとって最大のヤマ場となる。注目すべきポイントは3つある。

1. ライチ・マンゴーの最盛期到来
5〜7月はベトナム北部のライチと南部のマンゴーが収穫ピークを迎える。ドリアンも引き続き出荷量が増加する見込みで、Q2単独で年間目標のかなりの部分を積み上げる重要な期間となる。

2. 冷凍フルーツ・生ココナッツの新輸出プロトコル
農業環境省が進める冷凍フルーツと生ココナッツの輸出プロトコルは、加工品の付加価値向上と新市場開拓を同時に狙う施策だ。これが実効化すれば、収穫期に集中する鮮度管理リスクを分散でき、通年での安定輸出につながる。

3. 産地管理・トレーサビリティの強化
グリーンレーン制度が求める「土壌サンプリングから検疫検査までの一貫したトレーサビリティ」は、今後ほかの品目・市場にも横展開される見通し。ドラゴンフルーツのタイ・UAE向け輸出拡大でも同様の品質管理体制が求められており、ベトナム青果全体の輸出競争力を底上げする動きとなっている。

実用情報まとめ

項目詳細
主力輸出品目ドリアン、ジャックフルーツ、ココナッツ、パッションフルーツ、ポメロ、ロンガン
Q2注目品目ライチ(北部)、マンゴー(南部)、ドリアン(中南部)
最大輸出先中国(シェア50%超)
その他主要市場米国、韓国、日本、豪州、中東、欧州
新規プロトコル冷凍フルーツ、生ココナッツ(詳細策定中)
年間目標達成に必要な残り約79.4億ドル(5〜12月で達成要)
関連機関農業環境省、ベトナム果実野菜協会(Vinafruit)

まとめ

2026年1〜4月のベトナム青果輸出額は20.6億ドルに達し、前年比22%増という力強い成長を見せた。年間100億ドルの目標に対して、4カ月で約20%を達成した計算になる。Q2はライチ・マンゴー・ドリアンの最盛期が重なるため、さらなる上積みが見込まれる。冷凍フルーツや生ココナッツの新プロトコル、豪州向けポメロの新規市場開拓など、「量」と「質」の両面でベトナム青果産業は転換期を迎えている。日本の食品関連企業にとっても、調達先としてのベトナムの存在感は今後さらに高まるだろう。

(出典:Vietnam News / VietnamPlus / ベトナム税関総局 / ベトナム果実野菜協会)

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この記事を書いた人

京都で食品ブランドを運営しながら、これまで乾燥野菜や野菜パウダーなど、素材の魅力を活かした商品づくりに携わってきました。現在はベトナム在住2年目で、現地ではコーヒーの生産現場にも関わり、栽培から加工、味づくりまで一貫して学んでいます。毎日の暮らしの中で、安心して楽しめる食品を届けたいという思いから、生産背景や作り手の顔が見える商品を大切にしています。日本とベトナム、それぞれの食文化の魅力を活かしながら、日常にちょっとした豊かさを届けることを目指しています。

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